英国の組織犯罪対策機関South East Regional Organised Crime Unit(SEROCU)は現地時間2015年12月15日、中国の香港に本拠を置く学習用玩具メーカーVTech Holdingsに対するサイバー攻撃に関わった男を逮捕したと発表した。

 21歳のこの男は、同日の朝、英バークシャー州ブラックネルで身柄を拘束された。コンピュータに不正アクセスし、データやプログラムへの未承認アクセスが行えるようにした容疑が持たれている。

 SEROCUのサイバー犯罪捜査班は、多数の電子器機も押収した。同捜査班責任者のCraig Jones氏は、「捜査は初期段階であり、引き続き関係当局と協力し、犯罪に関わった複数の人物の特定に努める」と述べている。

 VTechでは先月、同社製品向けのアプリケーションや電子書籍などを配信/販売している「Learning Lodge」のデータベースに不正アクセスがあったことが発覚した。同データベースには、米国やカナダ、一部欧州諸国、中南米、香港を含む中国、オーストラリアやニュージーランドの顧客のプロフィール情報が保存され、氏名、電子メールアドレス、暗号化したパスワード、パスワードを思い出すための秘密の質問および答え、IPアドレス、住所、ダウンロード履歴などが含まれる(関連記事:香港の玩具メーカーに不正アクセス 子ども20万人分の情報流出か)。

 VTechは被害規模について明らかにしていないが、流出した個人情報は600万人分(英BBC)とも、子ども640万人を含む1200万人分(米New York Times)とも報じられている。

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