写真●FC-E23Wの外観(提供:NEC)
写真●FC-E23Wの外観(提供:NEC)
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 NECは2015年12月14日、工場などの過酷な環境で使うことを想定して耐久性や可用性を高めたファクトリーコンピュータ「FC98-NXシリーズ」全10機種のうち、省スペース型デスクトップ機の3機種について後継機を発表した。5年間の製品供給期間を終えて新機種に切り替わった形である。12月21日に出荷する。従来機と比べると、CPUの刷新によって性能が向上した。販売目標は、今後5年間で3万2000台。

 ファクトリーコンピュータとは、過酷な環境条件(温度、電源ノイズ、振動など)で24時間365日連続稼働させることを想定したコンピュータである。製造業の工場やビルの監視制御システムなどの分野で使われている。信頼性を高めるために、本体の異常を検知してシステム障害を未然に防止するRAS(Reliability、Avabilaility、Serviceability)ボードを備えるほか、製品/部品の長期供給(5年間)や、出荷停止後の長期保守(最大10年間)を保証している。

 今回、省スペース型デスクトップ機の3機種(FC-E21G、FC-E25B、FC-E16U)の後継として、CPUを刷新して性能を高めた新機種「FC-E23W」(写真)、「FC-E27B」、「FC-E22U」を用意した。処理性能はそれぞれ、省スペース型のハイエンド機であるFC-E23W(2.3GHz動作のXeon E3-1268Lv3を搭載)が従来機(FC-E21G)の約1.3倍、省スペース型のミッドレンジ機であるFC-E27B(2.7GHz動作のCore i5-4570TEを搭載)が従来機(FC-E25B)の約1.2倍、省スペース型のエントリー機であるFC-E22U(2.2GHz動作のCeleron G1820TEを搭載)が従来機(FC-E16U)の約1.4倍になった。

 その他の主な仕様は以下の通り。プリインストールOSは、Windows 7 Professional日本語版、Windows 7 Ultimate英語版、MIRACLE LINUXのいずれか。拡張スロットは、PCI Express(x4)×1とPCI×2。ディスプレイ出力は、アナログRGB×1とDVI-D×1。周辺機器接続用のシリアルポートは、D-sub9ピン×2。USBポートは、前面にUSB 2.0×2、背面にUSB 2.0×4とUSB 3.0×2。メモリースロットはDIMMスロット×2で、最大16Gバイト。ドライブは、ディスクレス構成、シングルドライブ構成、ミラーリング構成から選んで購入する。ハードディスク(500Gバイト)、SSD(100Gバイト)、光学系ドライブを組み合わせて、3台まで収容できる。

 FC98-NXシリーズには、今回の省スペース型デスクトップ機(3機種)のほかに、2Uラックマウント型(1機種)、デスクトップ型(2機種)、ボックス型(1機種)、エントリー機(3機種)がある。