日立公共システムは2015年12月10日、自治体が2016年度から導入する新しい人事評価制度に合わせて、人事評価シートの入力と集計を電子化するソフト「ADWORLD人事評価システム」()を販売開始した。2016年6月から提供する。販売目標は、2020年度までに300団体。

図●ADWORLD人事評価システムの活用イメージ
図●ADWORLD人事評価システムの活用イメージ
(出所:日立公共システム)
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 自治体の各職員の人事評価を、評価シートベースで入力/集計するためのソフトである。運用時は、各職員が評価シートに目標などを入力する。実績を評価する時期が来たら、各職員は自己評価を入力し、上長との面談を経た後に上長が各職員の評価を入力する。これらの業務フローを電子化した。

 集計した人事評価データは、人事施策に活用できる。集計データを参考にすることによって、人材配置や昇給・昇格への反映、能力に応じた研修計画の策定などが可能になる。

 特徴は、自治体の需要に合わせて開発したこと。自治体での使用を想定した入力項目を多数用意しており、この中から選ぶだけで評価シートを作成できる。個々の組織に合わせた入力項目のメンテナンスも可能で、「自治体特有の運用ルールに対応できる機能を豊富に備えた」(日立公共システム)としている。

2016年度に始まる新制度に対応、電子化で評価業務を省力化

 自治体向けに人事評価ソフトを提供する背景には、法律の改正がある。2014年5月14日に「地方公務員法及び地方独立行政法人法の一部を改正する法律(平成26年法律第34号)」が公布され、地方公共団体では2016年度から全国統一の新しい人事評価制度を導入することが義務付けられた。新しい制度では、各職員の自己評価を反映できるといった特徴がある。

 総務省が発表した「地方公務員法改正に伴う人事評価制度の施行に向けた準備状況調査」によると、2015年1月1日現在の導入率は727団体(40.71%)に留まっている。一方、既に導入した自治体においては、評価シートの配布や回収、評価結果の集計などの作業を主にExcelで行っているため、膨大な作業が発生し、人事担当者の負荷軽減が課題となっているという。

■変更履歴
記事公開時、取材を基に「自動で分析する機能はない」としていましたが、属性で検索すると該当する人材を一覧で表示する機能などを備えているとのことです。本文は修正済みです。[2015/12/11 19:00]