写真1●ワークスアプリケーションズの牧野正幸 代表取締役 最高経営責任者(CEO)
写真1●ワークスアプリケーションズの牧野正幸 代表取締役 最高経営責任者(CEO)
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 ワークスアプリケーションズは2015年12月10日、ERP(統合基幹業務システム)の新版「HUE」を提供開始した。同社が1996年から販売しているERP「COMPANY」の後継製品となる。提供形態はSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型。同日提供開始したのは人事機能で、会計機能の提供開始時期は未定だ。

 HUEの最大の特徴は、人工知能を搭載すること。同社の牧野正幸 代表取締役 最高経営責任者(CEO)は「人工知能を実装してユーザーの生産性を向上させる。図表の作成や伝票処理などの作業の無駄な部分を無くせる」と話した(写真1)。

 実際の利用イメージは次の通り。例えば、人事担当者が社員情報を検索する際にキーワードを入力すると、検索窓に候補が表示される。その応答速度は0.1秒以内。人工知能によって、過去の操作ログや関連情報などを基に、ユーザーの検索したい情報が予測・提案される。人工知能による検索候補の予測機能は、HUEに搭載する図表作成ツール「Enterprise Spreadsheet」や、経費精算の機能などにも搭載しているという。

写真●2米ユーダシティの共同創業者でCEOを務めるセバスチャン・スラン氏(右)とワークスアプリケーションズの牧野CEO
写真●2米ユーダシティの共同創業者でCEOを務めるセバスチャン・スラン氏(右)とワークスアプリケーションズの牧野CEO
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 「人工知能の普及で、現在の人間の仕事の8割は置き換えられるだろう」。同日開かれた「HUEリリース記念記者発表会」に登壇した、米グーグルの研究機関「Google X」の創設者であるセバスチャン・スラン氏はこう語った(写真2)。同氏は、オンラインの教育コンテンツ配信を手掛ける米ユーダシティの共同創業者でCEOを務めている。

 「既に新規のユーザーが約10社、採用を決めている」(牧野CEO)。2016年6月までに、約100社のユーザー企業が導入する予定だ。COMPANYのユーザーは1100社以上。「4~5年の間に、既存のCOMPANYユーザーのほとんどが、HUEに移行するだろう」(牧野CEO)とした。