クラウド事業者のフリービットは2015年12月7日、ユーザー企業に合わせてプライベートクラウドを構築して月額制で提供するサービス「フリービットクラウド VDC Private」を開始した。特徴は、オンプレミス環境でも運用できることや、パブリッククラウドと同じクラウド運用ソフトで管理できること、運用監視サービス付きで提供すること、などである。

 パブリッククラウド「フリービットクラウド VDC」で使っているフリービット独自のクラウド運用機能である「Desktop Data Center」(DDC)を、プライベートクラウドサービスにそのまま利用している。これにより、パブリッククラウドと同様の使い勝手で、Webブラウザーを介して、仮想サーバーの作成や起動/停止、ネットワークの追加といった様々な操作ができる。

 プライベートクラウドの設置場所は、オンプレミス環境でも、フリービットのデータセンターでも、どちらでも構わない。これらを同時に契約して組み合わせたり、パブリッククラウドと組み合わせてハイブリッドクラウドとして運用したりできる。

 オンプレミス環境にプライベートクラウドを構築する場合、オンプレミス環境とフリービットのデータセンターをVPNでつないで運用する。このVPNを介して、リモートから運用監視サービスを提供する。また、クラウド運用機能であるDDCはフリービットのデータセンター上で動作しているため、DDCからVPNを介してオンプレミスの仮想環境を制御する形になる。

 サーバーやストレージなどのハードウエアは、オンプレミスの場合、フリービットでも提供できるが、ユーザーが自前でこれらを用意してもよい。フリービットのデータセンターを利用する場合、ストレージやネットワークを含めて自社専用とするのか、サーバーだけを自社専用とするのかなどをメニューで選べるようにしている。

 ユーザーが自前でプライベートクラウドを構築した場合と比べたメリットの一つとしてフリービットは、仮想サーバー環境として利用するVMware製品のライセンスが安くなることを挙げる。企業向けのライセンスではなくクラウド事業者向けのライセンスを適用できるので、VMware仮想環境のライセンスを低く抑えられるという。