画面●ProChemist/BM 紛争鉱物対応オプションの画面(提供:NEC)
画面●ProChemist/BM 紛争鉱物対応オプションの画面(提供:NEC)
[画像のクリックで拡大表示]

 NECは2015年12月7日、製品や部品にどんな化学物質が含まれているのかを管理するソフト「ProChemist/BM」のオプションとして、自社製品に含まれる紛争鉱物(タンタル・錫・金・タングステン)の調査・回答業務を効率化するソフト「ProChemist/BM 紛争鉱物対応オプション」(画面)を出荷した。価格(税別)は、ProChemist/BM本体が570万円、紛争鉱物対応オプションは200万円。販売目標は、今後3年間で200社。

 自社製品で紛争鉱物をどれだけ使っているかについて、自社製品を構成する部品の調達先企業に調査を依頼したり、自社製品を供給する顧客企業に回答したり、といった業務を効率化するソフトである。最終的に米国の上場企業に納められる製品/部品について、サプライチェーンを構成するすべての企業が同ソフトの対象となる。

 背景となる紛争鉱物とは、紛争が絶えないコンゴ民主共和国および周辺国で産出されるタンタル・錫・金・タングステンの4鉱物のことである。非人道的行為を行う武装集団の資金源を絶つため、米国上場企業は、これら紛争鉱物の自社製品への使用状況について、米国証券取引委員会へ毎年報告することが義務付けられている。米国上場企業に製品や部品を納めている企業においても、顧客企業からの調査依頼に対応する必要がある。

 ProChemist/BM 紛争鉱物対応オプションを使うと、調査対象製品の一覧リストを登録するだけで、各製品を構成する部品情報を表示する際に、紛争鉱物の使用状況を合わせて表示できるようになる。これにより、各部品について、含有化学物質と紛争鉱物の両方の調査状況を一元的に確認できるようになる。

 調達先の回答内容の不備を自動でチェックする機能も備える。調査で用いる標準帳票である紛争鉱物報告テンプレート「CMRT(Conflict Minerals Reporting Template)」のうち、Declarationシート(調査結果申告シート)の全7問の質問について、全648パターンの回答内容の組み合わせを自動でチェックし、組み合わせが正しい「CMRT」のみを登録する仕組み。これにより、回答内容の不備に伴うデータ修正や調達先への再依頼といった後戻り作業を軽減する。また、調達先から部品単位に収集した「CMRT」の回答内容について、顧客企業単位に同一の精錬業者や製品を名寄せして「CMRT」を出力する機能を提供する。これにより、顧客企業からの調査依頼に対する回答作業を効率化する。