写真1●12月6日に開催された「KOBE Global Startup Gateway」最終審査会の参加者
写真1●12月6日に開催された「KOBE Global Startup Gateway」最終審査会の参加者
写真2●神戸市の岡口憲義副市長も登壇し、スタートアップ企業への期待を語った
写真2●神戸市の岡口憲義副市長も登壇し、スタートアップ企業への期待を語った

 2015年12月6日、神戸市が主催する起業支援プログラム「KOBE Global Startup Gateway」の最終審査会が開催された(写真1)。審査会で選抜された5チームに対して、市が運営する活動拠点「KOBE STARTUP OFFICE」の利用権利や、活動資金やメンタリング(助言)、投資家へのピッチ機会を提供するもの。支援対象は、ITを活用した新たなプロダクトやサービスの創出を目指すスタートアップ企業だ。

 IT活用を推進する久元喜造市長の意向で企画立案が始まり、久元市長や市担当者による海外都市・地域への訪問で、活動拠点の提供や次の資金調達を目指すピッチ機会に至るまで「包括的な枠組み」(同市産業振興局経済部担当課長の多名部 重則氏)として支援することが決まった。

 シリコンバレーなど起業支援が先行している都市における起業支援体制の充実ぶりを参考にした。サンフランシスコでは、「オープンガバナンス」を旗印に、スタートアップ企業が行政に深く関わる体制ができており、神戸市もこれに近い関係を構築することを目標とした。6日の審査会には、岡口憲義副市長(写真2)をはじめ同市関係者が多数出席し、市を挙げて起業支援に取り組む姿勢を強く示した。

 自治体が主催する起業支援プログラムは珍しく、「神戸から世界を変える」という呼びかけに対して、47チームが応募した。介護や認知症、町工場の減少といった社会的な問題の解決に取り組むチームが目立った。最終審査会には選抜された9チームと、ハッカソン「JP HACKS」で神戸市賞を獲得した1チームの合計10チーム(表1)が登壇し、5つの支援枠の獲得を目指した。

作品名 概要
FITTY(フィッティー) 「自分だけの下着」が見つかるオンラインフィッティング
工作ネット(539.net) 町工場のマッチングサービス
みおつくし リアルタイム介護タクシー検索サービス
まなびや ICTを活用した認知症予防コミュニティ
インテリジェントジャケットプロジェクト スマートフォンのジャケットを活用したセキュリティシステム
One Wedding ウエディングのプランニング・マッチング
GOFITURE 外国人向けの医療ツーリズムマッチング
エリアマイスター 主婦コミュニティによる仕事マッチングサービス
gochiso ホームパーティ向け運営プラットフォーム
droppin 行く先の観光地から寄り道先をアレンジしてくれるサービス

 各チームのプレゼンテーションの結果、選抜されたのは、「FITTY」「みおつくし」「まなびや」「gochiso」「GOFITURE」だった。このほか、droppinには、特別賞が贈られた。

 選抜された5チームは、2016年1月からKOBE STARTUP OFFICEに入居する。5月にはブラッシュアップした製品や事業計画を発表し、次の資金調達を目指す。