画面1●ChatLuckをスマートフォンの専用アプリケーションから利用している画面(提供:ネオジャパン)
画面1●ChatLuckをスマートフォンの専用アプリケーションから利用している画面(提供:ネオジャパン)
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 ネオジャパンは2015年12月3日、Webブラウザーだけでなくスマートフォンの専用アプリから利用できる企業向けのチャットソフト「ChatLuck」(チャットラック)を発表、同日提供を開始した。電子メールが担っている業務の一部を置き換えることを狙う。コンシューマー向けのチャットサービスに似た操作感を実現しながら、チャットサーバーを企業内に設置して使うことで、社員同士や取引先とのコミュニケーションに利用できるようにした。アクセス権限管理やログ記録など、企業用途で必要になる機能群も提供する。

画面2●ChatLuckをパソコンのWebブラウザーから利用している画面(提供:ネオジャパン)
画面2●ChatLuckをパソコンのWebブラウザーから利用している画面(提供:ネオジャパン)
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 ChatLuckのサーバーは、インターネットからアクセスできるDMZ(非武装地帯)などに設置する。クライアントソフトは、HTML5対応のWebブラウザーか、スマートフォン(iOS/Android)用の専用アプリケーションのいずれかを使う(画面1画面2)。これらクライアントソフトからチャットサーバーにユーザーIDでログインして利用する。1対1のチャットに加えて、チャットルームを作成すれば複数のユーザーが同時にチャットに参加できる。

 音声通話とビデオ通話、画面共有の機能も備える。この場合、1対1の通信となり、チャットサーバーを介さずにクライアントソフト同士がP2P(ポイントツーポイント)で通信する。P2Pの通信プロトコルとしてWebRTC(Web Real-Time Communication)を利用する。この仕組みによって、音声通話やビデオ通話のセッションが大量に発生してもチャットサーバーに負荷がかからないようにしている。

 グループウエアに準じる機能も備える。タスクやスケジュールの管理機能を備えており、自分やメンバーのスケジュールを管理/把握できる。アンケートを作成して実施する機能も備えており、意見の取りまとめに利用できる。チャット画面ではファイルの添付も可能なので、プレゼンテーション資料や画像ファイルなどを貼り付けて共有できる。

 ChatLuckの稼働環境は以下の通り。WebブラウザーはHTML5対応のものが利用できる。スマートフォン用の専用アプリケーションは、iOS 7/8またはAndroid 5.0.1で動作する。音声通話やビデオ通話を使う場合は、WebRTC対応Webブラウザー(Chrome、Firefox)か、スマートフォン用アプリケーションが利用できる。チャットサーバーソフトの稼働OSは、Windows Server 2012 R2またはLinux(Red Hat Enterprise Linux 6、CentOS 6.6)。データベース管理システムは、オープンソースのPostgreSQL 9.3を使う。

 ライセンスは、試しに導入する用途に適した「ルームライセンス」と、実運用に適した「ユーザーライセンス」の2種類を用意した。ルームライセンスの価格(税別、以下同)は12万円(サポート費用は年額3万円)で、チャットルームを10個まで作成できる。業務のプロジェクトやテーマごとにチャットルームを作成して試用する用途に適する。1ルームに参加できるユーザー数は1000人までで、同時利用できるユーザー数は最大5000人。

 ユーザーライセンスは、ユーザー数(ログインID数)に依存したライセンスで、チャットルームは無制限に作成可能。最小構成となる100ユーザー時の価格は、28万8000円(サポート費用は年額7万2000円)。5000ユーザー時の価格は、448万円(サポート費用は年額112万円)。

 ChatLuckのサーバーソフトを第三者がSaaS型のクラウドサービスとして提供している例もある。ソフトバンクが2015年10月に開始した「PrimeChat」である。PrimeChatの価格は、ユーザー数ライセンスが最小構成50ユーザーで月額1万円、ルーム数ライセンスが最小構成20ルームで月額3万円。