写真1●富士通統合商品戦略本部ビジネスアプリケーション推進統括部SFDCソリューション推進部長の工藤嘉英氏
写真1●富士通統合商品戦略本部ビジネスアプリケーション推進統括部SFDCソリューション推進部長の工藤嘉英氏
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写真2●富士通のSalesforce連携サービスの概念図
写真2●富士通のSalesforce連携サービスの概念図
(出所:富士通)
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写真3●富士通社内でSalesforceとExchangeを連携させた「提案書管理」アプリケーションの例
写真3●富士通社内でSalesforceとExchangeを連携させた「提案書管理」アプリケーションの例
(出所:富士通)
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 富士通は2015年12月3日から、米セールスフォース・ドットコム(Salesforce)のクラウド業務アプリケーションと、他社のメール・グループウエアの連携環境を構築する新サービスの提供を始めた。顧客企業のニーズを診断するアセスメントサービスの価格が200万円(税別)から。その後の設計・構築や運用は個別見積もりとなる。販売目標は2019年3月期までに20億円。

 富士通はSalesforceのパートナー企業として国内トップ級で、200社以上への導入実績がある。だが、Salesforce製品を得意とするITベンダーは新興企業を含めて数多くあり、競争は激しい。

 統合商品戦略本部ビジネスアプリケーション推進統括部SFDCソリューション推進部長の工藤嘉英氏(写真1)は、「当社にはグループウエアと連携した大規模なシステム環境を構築・運用できるノウハウがある。これを強みとして、競合に差をつけたい」と説明する。

 顧客企業へのSalesforce導入は部門単位でなされることが多く、比較的商談の規模が小さくなりがちだという。全社システムとして運用されていることが多いグループウエアとの連携を、全社規模の商談への拡大のきっかけとする狙いもある。

 富士通の新サービスは、Salesforce製品と、米マイクロソフトのコミュニケーションツール「Office 365」「Exchange」「SharePoint」を併用する大企業を主な対象とする(写真2)。

 富士通は新サービス投入に先立ち、自社内での連携環境を構築・実証した。グループ約16万人が利用するExchangeベースの「グローバルコミュニケーション基盤」と、Salesforceで構築した「インシデント管理」「提案書管理」(写真3)などの業務アプリケーションを連携。インシデント対応に関連する電子メールを上司がモバイル端末で閲覧し、対応を承認するといった機能を実装した。

 もともとSalesforceとマイクロソフトは2014年5月に「戦略的提携」を発表(関連記事:MicrosoftとSalesforceが戦略的提携、Office 365とCRMアプリの統合など)。この提携に基づき、既に基本的なデータ連携については標準機能で実現できるようになっている。

 富士通は、自社内での実証の過程で洗い出されたノウハウを新サービスで外販する。例えば、人事・認証情報との連携や、大規模・複雑なデータ連携で多くのアクセスが集中した場合の動作検証のノウハウなどが、標準機能にはない付加価値となる。