IT人材の育成を支援する特定非営利活動法人のITスキル研究フォーラムは2015年12月2日、ITエンジニアのストレスチェック実態調査の結果を発表した。同調査は12月1日に改正労働安全衛生法により義務化されたストレスチェックを踏まえて実施したもの。ITエンジニアは他業種よりも高ストレス者の割合が高い、労働時間が長くなると高ストレスの割合が増加する、といった傾向が明らかになった。

 調査はITエンジニアや組み込みエンジニア、企業の情報システム部門などに携わるエンジニアを対象に、2015年6月15日から8月16日にかけて実施。厚生労働省が指定した57項目(「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「働きがいのある仕事だ」など)に、ストレス抵抗力に関する設問などを追加した。有効回答は641人。

 厚生労働省の定める「高ストレス者」に該当したのは、回答者の17.8%だった。他業種を含めた厚生労働省の調査では、高ストレス者は全体の10.1%となっており、ITエンジニアにおける高ストレス者の割合は他業種に比べて高いことが分かる。

 月当たりの労働時間との関係を見たところ、200時間を超えると高ストレス者の割合が増加しており、200時間超と回答したエンジニアの26.4%が高ストレス者だった。経済産業省が定めたITエンジニアのスキル標準(ITSS)に基づくスキルレベルごとに見ると、レベルが高くなるにつれて高ストレス者の割合が低くなるという結果となった。

 調査はITスキル研究フォーラムが実施する「全国スキル調査 2015」の枠組み内で実施した。全国スキル調査 2015の結果は、日経コンピュータ 2015年12月10日号に掲載する。

ITスキル研究フォーラムによる調査概要/調査結果サマリー