写真●調理現場の監視データを音声だけで記録できる
写真●調理現場の監視データを音声だけで記録できる
出所:NECソリューションイノベータ提供
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 NECソリューションイノベータは2015年12月1日、食品安全衛生管理における記録作業を音声入力によって省力化するシステム「NEC 食品衛生記録支援サービス」の提供を開始した。調理温度や洗浄液の塩素濃度の良否判定など、食品加工や調理の現場で行っている各種のモニタリング記録作業を、音声だけで行えるようにする。ハンズフリー型のマイクとスマートフォン、音声認識エンジンを組み合わせて実現した。

 首にかけるウェアラブル型マイクと、専用アプリを導入したスマートフォンを利用して、音声だけで監視データを記録できるようにした(写真)。ノートに手書きで入力したり、キーボードを操作したりといった作業が要らなくなるので、調理現場の負荷が減る。利用者は、スマートフォンのスピーカーから聞こえる音声による質問に対して音声で答えるだけで、記録作業を行える。質問内容は、利用現場や調理メニューなどに応じて変更できる。

 音声で入力した記録データは、NECソリューションイノベータがクラウド上で提供しているサーバーに格納される。クラウドに蓄積されたデータは、必要に応じてExcel形式で出力できる。

 音声認識の仕組みとして、アドバンスト・メディアの音声認識エンジン「AmiVoice」を採用している。ウエアラブルマイクは、アドバンスト・メディアのマイク「AmiVoice Front WT01」を使う。このマイクはノイズキャンセル機能を備えており、加工/調理時の騒音の中でもマイクを装着している作業者の声だけを認識して記録できるという。

 システムの価格(税別)は、ウエアラブルマイクがセットになって、端末1台のライセンスが年額29万円、端末5台のライセンスが年額120万円。マイクをつなぐスマートフォン(Android端末)や、クラウドのWeb管理画面にアクセスするためのパソコンなどが別途必要になる。販売目標は、今後3年間で100拠点。