写真1●天板の高さを変えられるようにしたデスクシリーズ「Arcena」の新版(上)と、天板をレモン型などにした執務用テーブルの新版「CommonsTable」(下)
写真1●天板の高さを変えられるようにしたデスクシリーズ「Arcena」の新版(上)と、天板をレモン型などにした執務用テーブルの新版「CommonsTable」(下)
写真1●天板の高さを変えられるようにしたデスクシリーズ「Arcena」の新版(上)と、天板をレモン型などにした執務用テーブルの新版「CommonsTable」(下)

 内田洋行は2015年12月1日、オフィス向けの家具や、マイナンバー対応、ワークスタイル変革向けのICT関連製品の新製品を発表した。同日行われたメディア向けの内覧会では、オフィス家具として、車いすや立っての執務が可能な連結可能デスク「Arcena」の新版や、複数のオフィスワーカーが一緒に着席しても他の人の視線が気にならないよう、天板をレモンなどの形にした執務用テーブルの新版「CommonsTable」などが公開された(写真1)。

 内田洋行の大久保昇代表取締役社長は「過去を振り返るとバブル崩壊後、企業が生産性向上の対象にしてきたのは主に製造業の工場で、オフィスは忘れ去られてきた。しかし最近は少子化の影響が企業にも及び、2020年には人手不足がさらに深刻になる」と指摘した。

 そのうえで「今後はオフィスワーカーが創造性を高めて、これまで以上の成果を出していけるオフィス環境作りが重要になる。オフィスワーカーが仕事に集中したいときはそれができ、同僚と相談したいときにすぐできるといった、フレキシブルな環境を作れるよう新製品を発表した」と、大久保社長は続ける。

中堅企業がマイナンバー対応で収納庫に熱視線

 新製品のなかには、ICT関連製品も少なくない。その1つがマイナンバーをはじめとする機密情報の管理に適した、社員証ICカードで開錠する紙文書などの収納庫の新版「SECURAGE NS」だ。従来もICカードで開錠する製品を提供してきたが、新版では、ICカードの読み取り部分にテンキーを追加。ICカードとテンキーの両方を組み合わせて、よりセキュリティを高めた(写真2)。

写真2●社員証ICカードとテンキー入力の組み合わせで開錠できるようにした収納庫「SECURAGE NS」
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写真2●社員証ICカードとテンキー入力の組み合わせで開錠できるようにした収納庫「SECURAGE NS」

 マイナンバーの管理では、マイナンバーの利用実績を記録しておく必要がある。SECURAGE NSには読み取り装置にログを蓄積する機能が組み込まれており、これが利用実績の記録に応用できる。

 開錠した日時や利用したICカード、テンキーの入力情報など、蓄積したログデータも確認できるようにしてある。扉の裏側に組み込んだUSBケーブルに、内田洋行のホームページで公開されている専用アプリをダウンロードしたノートPCを接続することで確認できるようにした。

 また読み取り装置の電源が乾電池なので、収納庫のオフィス設置の際、電源コンセントからの距離を気にせずに済む。SECURAGE NSはこの日に発表された他の新製品に先立ち、2015年9月から販売を始めたが、販売開始後の売り上げは、従来版に比べて5倍以上に急伸した。「紙を使ったマイナンバー管理を効率化できる」と中堅中小企業が注目しているからだという。