画面●LINEが新たに始めたニュース配信サービス
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出所:LINE提供
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写真1●「LINEアカウントを中心にした生態系を築く」と語る出澤社長
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出所:LINE提供
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写真2●今後は専門媒体や地方紙にも参加を呼びかける
写真2●今後は専門媒体や地方紙にも参加を呼びかける
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 LINEは2015年12月1日、同社が運営するメッセンジャーアプリ「LINE」向けの新しいニュース配信サービスを始めた(画面)。メディア企業がLINEに開設している公式アカウントを通じて、各社が独自に編集したニュースをLINE利用者に配信できる。メディア企業は国内5800万人が利用するLINEを通じて、自社ブランドを前面に押し出したニュース配信が可能。これまでLINEは、同社の編集部門が選んだニュースを配信していた。消費者が日常的に閲覧する傾向が高いニュースというコンテンツを強化し、アプリ利用頻度を高める。

 新サービスの名称は「LINEアカウントメディア プラットフォーム」。LINEが自社向けに開発・運用していたニュース配信機能を、他のメディア企業にも開放。メディア企業はLINEを通じて情報を配信する仕組みである公式アカウントを通じて、写真やイラストを使ったニュースを配信できる。

 「LINEはアカウントを中心とした生態系の構築に、いままで以上に力を入れ、情報流通のハブになる」。同社の出澤 剛社長はこう狙いを述べた(写真1)。ニュース配信サービスを第一弾の取り組みと位置付ける。スマートフォンのアプリは、インストールした後にほとんど使われない「ゾンビ」状態になっているものが8割超という調査もある。「日常的に使うサービスを投入することで、ゾンビ化を防ぐことができる」(同)。

 まず新聞社や通信社、テレビ局など24社が参加した(写真2)。新サービスではニュースと合わせて広告も配信し、得た収益をメディア企業と折半する。

 利用者がニュースを閲覧したいメディアの公式アカウントを選び、友人と同様に利用登録(フォロー)する。フォローしたメディアの公式アカウントからは、定期的にニュースが届く。

 ニュースの中身は各メディア企業が独自に編集・制作したもの。ニュース閲覧画面では各メディア企業のニュースだけが並ぶ。利用者が使うのはLINEのアプリだが、「各媒体のオウンドメディアとして運営できる」(コマース・メディア担当の島村 武志 上級執行役員)。

 従来からLINEが提供しているニュース配信サービスである「LINE NEWS」は、同社の編集部がネット上の記事を独自に選び、編集したもの。同一テーマで複数の提携メディアの記事を並べたものもあり、メディア企業は独自性を打ち出しにくかった。