日本通信は2015年12月1日、本社で開催した新製品発表会でM2MやIoT用途を想定した「2SIMルータ」を発表した。12月1日より、5年リースプランを月額3900円(税別)で提供する。

 2SIMルータは、NTTドコモ回線をメインに、ソフトバンク回線をバックアップに用いることで無線通信を二重化したもの。無線通信の信頼性を高めることで、ATMやPOSに接続されているISDN回線など有線の専用線からの置き換えを狙う(写真1)。

写真1●日本通信の「2SIMルータ」
写真1●日本通信の「2SIMルータ」
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デュアルネットワークで信頼性を高めた無線通信を提供

 発表会には、日本通信の福田尚久代表取締役社長が登壇。同社の無線専用線サービスについて、「当社は最近の格安SIMのイメージが先行しているが、米国ではATMなど金融機関向けに無線専用線を提供してきた実績があり、米国と日本でPCI DSS認定を取得している」と紹介した(写真2)。

写真2●日本通信の福田尚久代表取締役社長
写真2●日本通信の福田尚久代表取締役社長
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 無線専用線について、「ATMなどの装置に有線の専用線を接続する必要がなく、電源をつなぐだけで運用できる」(福田氏)とメリットを挙げるものの、信頼性の低さが課題だったという。そこで「NTTドコモとソフトバンクの両ネットワークで二重化すれば、信頼性を高めることができる」(同)として、「2SIMルータ」を披露した。

メイン回線からソフトバンク回線に約1分で切り替え

 日本通信の「デュアルネットワーク」では、NTTドコモ回線をメインに、ソフトバンク回線をバックアップに用いており、ATMなどの端末から接続先サーバーまでのエンド・トゥ・エンドの通信サービスを提供するとした(写真3)。

写真3●NTTドコモとソフトバンクの回線を二重化
写真3●NTTドコモとソフトバンクの回線を二重化
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