米Amazon.comの映像コンテンツ配信サービス「Amazon Video(旧称:Amazon Instant Video)」がまもなく米Appleの「Apple TV」に登場する見通しだと複数の海外メディア(米AppleInsider米TechCrunchなど)が現地時間2015年11月30日までに報じた。

 あるアプリ開発者がAmazon.comのサポートサービスに尋ねたところ、同社がApple TV向けAmazon Videoアプリを開発しており、今後数週間以内にApple TVに登場するとの返答をもらったという。AppleInsiderの読者も11月に同様の回答をAmazon.comのサポートチームから得ており、Apple TV版Amazon Videoの存在が確認できたと、AppleInsiderは報じている。

 これらの報道によると、Amazon Videoが利用できるのはAppleが今年10月に発売した第4世代Apple TV。この新モデルはiOSベースのtvOSを搭載しており、Appleのアプリ配信サービス「App Store」に対応している。これにより、第4世代Apple TVではNetflixやHuluなどの他社映像配信サービスのアプリや、サードパーティー製ゲームアプリなどが利用できる(関連記事:「Apple TV」の新モデル、オンラインで販売開始、出荷は10月31日から)。

 一方でAmazon.comはすでにAmazon VideoのiOS向けアプリを配信しており、ユーザーはiPhoneやiPadでAmazon Videoを視聴できる。このほか、iOSのAirPlay機能を使ってコンテンツをApple TVに転送することも可能だ。ただし、この方法では第4世代Apple TVに備わる、Siriを使った複数サービス間の検索が利用できないと、TechCrunchは伝えている。

 なお、Apple TVでAmazon Videoが利用できるようになれば、Amazon.comは同社のネット通販サイトでApple TVの販売を再開する可能性があるとAppleInsiderは伝えている。同社は今年10月、Apple TVや米Googleの「Chromecast」といった、「Amazon Fire TV」と競合する他社製映像配信端末の販売を中止した。その際のAmazon.comの説明は、「これらの端末でもAmazon Videoが利用できると顧客が誤解してしまうため」というものだった。