アシストは2015年11月30日、現場向けBIソフト「Qlik Sense」の機能拡張ソフトで、地図情報を利用できるようにする「GeoQlik for Qlik Sense」(画面)を発表した。12月1日から販売する。Qlik Senseは標準でも地図情報を扱えるが、GeoQlikを追加すると、複数の分析軸を同一地図上に表示するなど、高機能な地理情報システム(GIS)を構築できるようになる。価格(税別)は、Qlik Senseが1ユーザー当たり24万9750円、GeoQlik for Qlik Senseが1ユーザー当たり1万9000円。最小構成は5ユーザー。

画面●GeoQlik for Qlik Senseの画面(提供:アシスト)
画面●GeoQlik for Qlik Senseの画面(提供:アシスト)
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 Qlik Senseは、現場のエンドユーザーが日々の意思決定に利用する使い方を想定したBIソフトである。インメモリー型で高速に動作し、データ探索型でアドホックな分析ができる。直観的に表やグラフをクリックしていくだけで目的の情報を入手できるので、データに潜んでいる業務上の課題を発見できるという。簡単に使えることを追求しており、分析するデータの設定を含めてエンドユーザーがセルフサービス型で利用できる。

 Qlik SenseとGeoQlik for Qlik Senseを組み合わせると、分析データを地図上に表示する地理情報システムの機能が向上する。例えば、地図上に表現できるグラフの種類が増える。Qlik Senseは標準でバブルチャート(点の大きさで表現)とコロプレスチャート(領域の塗り分け)の2種類しか使えないが、GeoQlikではこれらに加えて円グラフ、棒グラフ、テキスト表示(数字など)、ヒートマップ表示ができる。

 GeoQlikではさらに、Qlik Senseが標準で使えない、複数のデータを重ね合わせて表示する機能が使えるようになる。例えば、市区町村の人口をコロプレスチャート(領域の塗り分け)で、商品の売上構成を円グラフでそれぞれ表現し、これらを重ね合わせて表示できる。これにより、人口と売上構成の関連性が視覚的に分かるようになる。また、市区町村の人口分布と顧客の分布など、分析軸が異なる複数のデータを同一地図上に表現できる。

 地図データは、インターネット地図サービスの「Google Maps」や「OpenStreetMap(OSM)」形式のデータを利用できる。地図データを自前で用意する必要がないので、安価に地理情報システムを構築できる。

 Qlik Senseには、より高機能なBIソフトとして「QlikView」がある。Qlik Sense向けにGeoQlik for Qlik Senseがあるように、QlikView向けにも地図連携用の強化ソフト「GeoQlik」がある(関連記事:アシスト、アドホックBIソフト「QlikView」用の地図連携アドオンを販売)。