2015年11月17日、経済産業省が主催する、イノベーター育成プログラム「始動Next Innovator 2015」の成果報告会が開催された(写真1)。同プログラムでは、新規事業に挑戦する企業の担当者や起業家を募り、まず122人を選出。その122人を対象とした国内での研修プログラムを経て、選抜された20人を米国シリコンバレーに2週間派遣した。今回の報告会は、数カ月間の一連の活動を総括するとともに、シリコンバレーでの活動内容を共有するものだ。

写真1●11月17日に開催された報告会
写真1●11月17日に開催された報告会
[画像のクリックで拡大表示]

「日本の課題は実行力」

 同プログラムは、2015年5月の安倍晋三総理大臣によるシリコンバレー訪問を契機に始まったことから「総理プロジェクト」とも呼ばれている。プログラムを主催した経済産業省 経済産業政策局長の柳瀬唯夫氏は、「日本政府が生産性革命を打ち出しているが、日米格差は開く一方。この状況を打開するには、頭の中から米国流に染まってもらうのがいいと思った」と、シリコンバレー派遣に至った背景を説明。日本のビジネスパーソンは実行力に課題があるという認識を示したうえで、プログラム参加者には「それぞれの構想を行動に移してもらいたい」とした(写真2)。

写真2●経済産業省の柳瀬氏
写真2●経済産業省の柳瀬氏
[画像のクリックで拡大表示]

 トーマツと共に運営事務局を務めたWiLの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)である伊佐山元氏は、今回のプログラムからの学びとして、「Follow your passion(野心に従う)」「Your passion is ignited by your purpose(社会問題を解決するという大義が、野心に火をつける)」「It's all about people(成功は人次第)」「Find opportunities everywhere(自ら境界を設けなければ、チャンスはどこにもある)」を挙げた(写真3)。

写真3●WiLの伊佐山氏
写真3●WiLの伊佐山氏
[画像のクリックで拡大表示]