写真●日本マイクロソフトの平野拓也代表執行役社長
写真●日本マイクロソフトの平野拓也代表執行役社長
(撮影:井上 裕康)
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 「世界で米国防総省の次にサイバー攻撃を受けているのが、マイクロソフトのWebサイトだ」。

 日本マイクロソフトの平野拓也代表執行役社長は2015年11月25日、東京・目黒のウエスティンホテル東京で開催された「イノベーターズサミット」(日経BP社 日経ITイノベーターズ主催)で、講演した。講演の題目は「モバイルファースト、クラウドファースト時代のセキュリティへの取り組み」だ(写真)。

 冒頭の発言は、平野社長がマイクロソフトのセキュリティ対策の実績を紹介したもの。「月2000億通以上のスパムメールをフィルタリングするなど、セキュリティ対策のノウハウを蓄積している」(平野社長)。同社は年間10億ドル以上をセキュリティ関連事業に投資している。

 講演ではセキュリティへの取り組みを、エンドポイントでの「保護」、サイバー攻撃を検知したりモニタリングしたりする「検知」、攻撃を受けた後の「対処」の三つに分けて解説した。「エンドポイントの『保護』や、攻撃の『検知』に投資する企業は多いが、『対処』まで注力できている企業は少ない」(平野社長)。

 このほか、サイバーセキュリティに関する情報発信拠点「マイクロソフト サイバークライムセンター 日本サテライト」などを立ち上げた取り組みを紹介した。法律の専門家やデータ分析の専門家などが、マルウエアやボットネットなどを監視したり情報収集したりしているという。「今後は企業向けのサイバー対策専門施設なども立ち上げる予定だ」(平野社長)。