写真●Deloitte Digitalの岩渕匡敦執行役員パートナー
写真●Deloitte Digitalの岩渕匡敦執行役員パートナー
(撮影:井上 裕康)
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 「チャネルをデジタル化するだけでなく、消費者とのコミュニケーションを変えなければいけない」。

 東京・目黒のウエスティンホテル東京で2015年11月25日に開催された「イノベーターズサミット」(日経BP社 日経ITイノベーターズ主催)。Deloitte Digitalの岩渕匡敦執行役員パートナーは「デジタル化時代のブランド変革」と題した講演で、冒頭のように訴えた(写真)。

 講演の冒頭、岩渕執行役員は「市場環境の変化に対応して、企業は販売戦略を作りかえる必要がある」と話した。市場環境が変化したことの主な要因は、インターネットやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及である。消費者は従来よりも多くの情報を基に、商品やサービスを比較して購入できる。「企業側も、消費者の購買活動に追随して、販売戦略に活用しなければならない」(岩渕執行役員)。

 世代の移り変わりも、企業に販売戦略の変革を迫る要因の一つだ。「若年層の世代では、商品のスペックを詳細に比較しない消費者が増えている。直感的な“右脳的”選択を優先する消費者だ」(岩渕執行役員)。このような消費者のニーズに応えるには、消費者とのコミュニケーションを重視した販売戦略を展開する必要があるという。

 岩渕執行役員は講演の後半、企業の販売戦略で重視すべきポイントを紹介した。最も重要なのは、顧客視点に立った販売戦略だ。このほか、ブランディングとCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)の統合や、グローバルを見据えたマーケティングなどの重要性も訴えた。「ブランド価値を作り出すには、経営層のコミットが必要だ。組織的、継続的な改革を支援したい」(岩渕執行役員)。