写真●アビームコンサルティングの岩澤俊典代表取締役社長
写真●アビームコンサルティングの岩澤俊典代表取締役社長
(撮影:井上 裕康)
[画像のクリックで拡大表示]

 「IT活用によって、日本企業の生産性向上に貢献することを宣言する」――。

 アビームコンサルティングの岩澤俊典代表取締役社長は2015年11月25日、東京・目黒のウエスティンホテル東京で開催された「イノベーターズサミット」(日経BP社 日経ITイノベーターズ主催)の講演に登壇し、冒頭のように訴えた。

 講演で岩澤社長は、IoT(Internet of Things)活用によって、日本企業が大幅に生産性を向上させられる可能性について触れた。「10年~20年の間、日本には目立ったイノベーションが無かったが、大きな変革のチャンスが到来している」(岩澤社長)。様々なモノがインターネットにつながることで、リアルタイムにデータを収集し、活用できるようになったことがIoTの本質だという。

 一方で、多くの企業が経営情報をリアルタイムに把握できておらず、活用できていないといった課題を指摘した。「例えば、海外拠点の在庫情報などを常時把握できているグローバル企業は、全体の15%程度だ」(岩澤社長)。

 企業内の経営情報をリアルタイムに活用する手段の一つが、ERP(統合基幹業務システム)だ。同社はこれまで、ERPの導入支援サービスや業種に特化したテンプレートを提供してきた。しかし大企業が、国内、海外の拠点でERPを統合するには、100億円以上の費用と約10年の期間が必要だという。

 そこでアビームコンサルティングは、クラウド環境から、従来よりも低コストでいち早く、ERPを導入できるサービスを用意した。セキュリティツールや保守サービスなども合わせて提供する。料金は月額でサブスクリプション型だ。「企業内の経営情報を活用しやすくする仕組みを用意して、顧客のイノベーションを支援したい」(岩澤社長)。