東京のFMラジオ局J-WAVEのIT関連会社であるJ-WAVE iは、熊本県山鹿市と共同で、スマートフォンを活用した音声コミュニケーション・サービス「やまがメイト」をリリースした。

 J-WAVE iが開発した音声コミュニケーション・サービス「Groupair」のシステムを元に自治体向けに改良した。山鹿市に関わる情報を地域住民に音声メッセージで配信できる。12月の運用開始を予定する。

 最大の特徴は、音声メッセージの送信機能という。自治体の情報担当者は簡単な操作で市や各地域ごとの情報を音声で住民に届けることができる。BGMやチャイムを付けることも可能。

 「自動再生機能」を搭載しており、災害などの緊急時には、ユーザーがスマートフォンやタブレット端末に触れることなく、自動で音声情報を再生させることが可能。防災行政無線の補完措置として、防災行政無線の音声を同時に「やまがメイト」にも配信することで、より多くの住民に情報を届けることが期待できる。

 さらに、災害情報を受け取った住民が、道路や建物の被害状況を返信するなど、情報収集にも活用できるようにした。Googleマップと組み合わせて、地図で最も近い避難所を確認できる機能も搭載した。

 現在、自治体と地域住民との音声によるコミュニケーション手段として「防災行政無線」や「オフトーク通信」などがある。しかし、防災行政無線の拡声スピーカーからの音声は豪雨など状況によっては聞き取りにくいといった課題がある。オフトーク通信はサービス終了が発表されている。山鹿市では、住民への情報提供の確実性を高めるため、既存の伝達手段も引き続き重視したうえで、「新たなサービスづくり」を検討してきたという。

 やまがメイトは、「市だけでなく居住区や学校区など細かい地域単位でのグループ作成」「テキストメッセージや写真の送信」「市の広報誌など紙媒体のpdf配信」「市や地域のイベントのスケジュール登録・共有」「アプリ上から住民個人で家族、サークル、会社などのグループ作成」など各種機能がある。自治体と住民間に加えて、住民同士のコミュニケーションの手段として利用できる。

 一部機能制限はあるが、スマートフォン・アプリに加えて、PCや一般携帯電話からも利用できる。なおJ-WAVE iは、ベースとなる地方自治体向け音声コミュニケーション支援サービス「Groupair +」の普及・促進活動も進めていく。

[やまがメイトのページ]
[Groupair +のページ]