米Hewlett-Packard(HP)の分社化により誕生した米HP Inc.は現地時間2015年11月24日、旧HPの2015会計年度第4四半期(2015年8〜10月)の決算を発表した。パソコンとプリンター事業の売上がともに2ケタ落ち込み、減収減益となった。

 HPは11月1日に分社化を完了し、パソコンおよびプリンター事業部門をHP Inc.が、法人向け事業部門を米Hewlett Packard Enterprise(HPE)が引き継いでいる。今回発表した決算には、現HPEの事業も含まれる。

 第4四半期の売上高は257億1400万ドルで前年同期と比べ9%減少した(為替の影響を除いた場合は同3%減少)。米国会計原則(GAAP)ベースの純利益は13億2300万ドルで同1%減少。希薄化後1株当たり利益は0.73ドルで同4%増加した。

 上記の数字には、分社化やリストラ策に伴う費用、法人所得税控除などが含まれる。これら特別応目を除いた非GAAPベースの場合、純利益は前年同期比16%減の17億ドル、希薄化後1株当たり利益は同12%減の0.93ドルとなる。

 米メディアの報道(New York Times)によると、アナリストの予測平均は売上高が264億ドル、特別項目を除いた1株当たり利益が0.96ドルだった。

 第4四半期の事業別業績を見ると、パソコンやプリンターを扱うPrinting and Personal Systems Group事業の売上高は126億5900万ドルと、前年同期比14%減少した。このうちパソコン部門が同14%減の76億9400万ドルで、企業向けが同15%減、消費者向けが同12%減少した。プリンター部門は同14%減の49億6500万ドルだった。

 製品出荷台数は、デスクトップパソコンが前年同期比17%減、ノートパソコンが同5%減で、パソコン全体では同12%縮小した。プリンターは、企業向けが同23%減、消費者向けが同14%減で、全体では同17%減だった。

 サーバーや技術サービス、ストレージ、ネットワーキングなどを手がけるEnterprise Group事業の売上高は73億5800万ドルで前年同期比2%増加。アプリケーションやビジネスサービスなどのEnterprise Services事業は50億2000万ドルで、同9%減少した。

 Software事業の売上高は前年同期比7%減の9億5800万ドル、Financial Services事業は同11%減の8億200万ドルだった。

 同時に発表した2015会計年度通期(2014年11月〜2015年10月)の売上高は、前年度比7%減(為替の影響を除いた場合は2%減)の1033億5500万ドル、GAAPベースの純利益は同9%減の45億5400万ドル、希薄化後1株当たり利益は同5%減の2.48ドルだった。

 HP Inc.とHPEは2016会計年度第1四半期(2015年11月〜2016年1月)より、個別に決算を開示する。両社が発表した第1四半期の希薄化後1株当たり利益見通しは、HP Inc.がGAAPベースで0.27〜0.32ドルおよび非GAAPベースで0.33〜0.38ドルの範囲、HPEはGAAPベースで0.09〜0.13ドルおよび非GAAPベースで0.37〜0.41ドルの範囲を見込んでいる。

[発表資料(HP Inc.のプレスリリース)]
[発表資料(HPEのWebサイト)]