写真●「New Shepard」
写真●「New Shepard」
(出所:Blue Origin)
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 米Amazon.comの創業者兼最高経営責任者(CEO)のJeff Bezos氏が設立した宇宙旅行開発会社の米Blue Originは現地時間2015年11月24日、再利用型ロケット「New Shepard」の垂直離着陸実験に成功したと発表した(写真)。

 米国中部時間11月23日に行われた実験で、垂直発射したNew Shepardは高度32万9839フィート(約10万メートル)に達したのち、風速毎時119マイルの高高度の中を通り抜けて、高度4896フィート(約1500メートル)で再点火し、西テキサスの発射基地に軟着陸した。制御された垂直着陸は、中心からわずか4.5フィート(約1.4メートル)しかずれていなかったという。

 New Shepardは完全再利用を目指したロケットで、6人を輸送可能なカプセルを搭載する。ブースターから切り離されたカプセルは数分間の宇宙旅行ののち、大気圏内に降下してパラシュートで帰還する仕組み。今回の実験では、ロケット発射後11分でカプセルが地上に戻った。

 今回の実験の様子をまとめた動画をBlue Originの専用サイトで視聴できる。

 米メディアの報道(New York Times)によると、Bezos氏は数週間のうちに次の離着陸実験を行うことを示唆した。来年、有人飛行テストを始める計画で、商業宇宙旅行は2〜3年以内の開始を見込んでいるが、約4分間の無重力体験の金額はまだ決まっていない。

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