モバイルクレジットカード決済の米Squareは現地時間2015年1月19日、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した。ティッカーシンボルは「SQ」。約2700万株を売り出し、2億4300万ドルを調達した。

 Squareは新規株式公開(IPO)の公募価格の仮条件を11~13ドルとしていたが、1月18日にこれを下回る9.00ドルに決定した。新規上場の初日はIPO価格を約24%上回る11.20ドルで取引が始まり、一時は約64%高の14.78ドルを付けたが、最終的に約45%高の13.07ドルで引けた。

 Squareは、米Twitterの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のJack Dorsey氏がJames McKelvey氏とともに2009年に立ち上げた事業。モバイルデバイスに取り付ける小型クレジットカードリーダーを用いたモバイル決済システムを提供するほか、融資プログラム「Square Capital」や送金サービス「Square Cash」なども手がけている。SquareのCEOもDorsey氏が兼務している。

 Squareは売上を順調に伸ばしており、2015年第3四半期(2015年7~9月)の売上高は3億3200万ドルで、前年同期の2億2700万ドルから増加した。しかし純損失5400万ドルを計上し、1年前の3800万ドルから赤字が拡大している。

 米メディアの報道(米New York Times米Bloombergなど)によると、同社が約1年前に実施した投資ラウンドでは1株15.46ドルで資金を調達し、評価額60億ドルと見積もられた。公募価格に基づいた評価額は約29億ドル、初日の終値をもとにした場合でも約42億ドルとなり、1年前より大幅に下がっている。Dorsey氏は今回のIPOについて、「避けるものではなく、Squareをビジネスとして加速させてくれるもの」と述べている。