コンカーは2015年11月18日、クラウド型の経費精算サービス「Concur Expense」の新ラインアップとして、社員300人から1000人程度の中堅・中小企業向けに機能を簡素化した「Concur Expense Standard」を発表した。細かい設定ができなくなった代わりに、ウィザードで簡単にカスタマイズできるようにしたほか、導入費用を不要とした。運用費は既存のConcur Expense(Professional版)とほぼ同じで、経費清算書の発行枚数に応じて課金する。

 Concur Expenseは、クラウド型の経費精算サービス。領収書から経費精算書を作成し、上長の承認を受け、経理部門が処理する、という一連の経費精算の機能を提供する。領収書は、スマートフォンで撮影して添付できる。交通費精算の自動化に注力しており、例えばConcur Expenseからタクシーを配車すれば、交通費精算を自動で処理してくれる。ICカードリーダーを介してSuicaなどのIC乗車券からデータを抽出して自動登録する機能も備える。

 これまでコンカーは、主に社員3000人以上の大企業にConcur Expenseを販売してきた。導入時にはコンサルタントが要件を定義し、個々の企業の要件に合わせて細かく設定を施していた。このため、100万円以上の初期導入費が必要になっていた。このProfessional版では、部署ごとに承認申請ルートを変更するといった柔軟な設定が可能で、経費入力フォームも自由にデザインできる。為替レートやルール設定なども自由に設計できる。

 今回新たに追加したStandard版では、あらかじめ用意してある典型的な設定を、ユーザー自らウィザード機能を使って選べるようにした。Professional版のように細かい設定を施すことはできないが、大部分の中堅・中小企業にとっては問題ないとしている。経費入力フォームも規定のものをそのまま利用する形になる。ユーザー自らウィザードで設定する仕組みであるため、初期導入費用はかからない。