図●うれし泣き顔の絵文字
図●うれし泣き顔の絵文字
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 英オックスフォード大学の出版局Oxford University Pressが現地時間2015年11月16日に発表した「オックスフォード辞典の今年の言葉」は、涙を流した笑い顔の絵文字だった()。今年の言葉に単語ではなく絵文字が選ばれるのはこれが初めて。

 Oxford University Pressはこの絵文字の名称を「Face with Tears of Joy」(うれし泣き顔)としている。

 絵文字が登場したのは1990年代後半だが、2015年に世界中で使用が急増し、「emoji」という言葉も広まった。「2015年の気風、雰囲気、関心事を反映している」と、絵文字を選んだ理由をOxford University Pressは説明した。

 Oxford University Pressはキーボードアプリケーション開発の英SwiftKeyと協力し、世界でどの絵文字が頻繁に使われているか調査した。その結果、うれし泣き顔は今年最も人気が高かったという。同絵文字は、2015年に英国での使用頻度が全絵文字の20%、米国では17%を占め、それぞれ2014年の4%と9%から急増している。

 また、emojiという言葉が英語でも使われるようになったのは1997年以降だが、2015年はその使用が前年と比べて3倍以上に拡大した。

 Oxford University Press代表のCasper Grathwohl氏は「伝統的なアルファベット文字が、21世紀における速度と視覚重視のコミュニケーションについていけなくなっている様子が分かる。絵文字がその差を埋めるために使われていることは不思議ではない」と述べている(米Wall Street Journalの報道)。

 なお、今年の言葉の最終候補には絵文字のほか、広告表示を遮断するソフトウエアの総称「ad blocker」、特殊なソフトウエアによってのみアクセス可能な匿名性が高いネットワーク「Dark Web」、「refugee(難民)」などが残った。

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