NECは2015年11月16日、放送局などに向けて、ビデオ映像を収録・格納・再生する装置であるビデオサーバーの新製品として、4K解像度のファイル規格であるXAVCとAVC Intraの収録と再生が可能な「Armadia ff 4K」(写真)を発表した。2016年4月に出荷する。既存モデル「Armadia ff」に4K対応を追加した上位モデルに当たる。価格(税別)は、スタンドアローン構成(1台構成)で800万円から。販売目標は、今後3年間で100台。

写真●Armadia ff 4Kの外観
写真●Armadia ff 4Kの外観

 Armadia ffシリーズ(Armadia ffおよびArmadia ff 4K)は、ビデオ映像のエンコード機能(ビデオ信号をビデオ形式ファイルに変換する機能)とデコード機能(ビデオ形式ファイルを再生する機能)を備えたビデオサーバーである。内蔵しているGUIアプリケーションを使って、ファイルの管理や再生などができる。ビデオ信号の入出力ポートとして、放送機器をつなぐためのSDI(シリアルデジタルインタフェース)を備える。TCP/IPネットワーク(FTP)を介してビデオ形式ファイルを格納したり取り出したりすることもできる。

 今回、Armadia ffシリーズの上位モデルとしてラインアップに追加したArmadia ff 4Kでは、新たにフルHD解像度の4倍に当たる4K解像度(3840×2160ドット)に対応した。具体的には、4Kのためのファイル規格であるXAVC(ソニーの規格)とAVC Intra(パナソニックの規格)の二つのファイル規格について、収録(エンコード)と再生(デコード)ができるようになった。

 並行して同時に収録/再生できるチャネルは、HD解像度で4チャネル、4K解像度で2チャネルになる。それぞれのチャネルを収録(エンコード)と再生(デコード)のどちらに使うかは、個々のチャネルごとに切り替えて指定できる。例えば、HD解像度の場合、収録に3チャネル、再生に1チャネルを割り当てる、といった具合である。

 きょう体のハードウエアは、既存の下位モデルと共通で、高さ2Uのラックマウント型サーバーに、ビデオ信号を入出力するSDIポートを2個または4個搭載する。きょう体を増設することによって、入出力ポート(並行して同時に動作する収録/再生チャネル)を増やせる。きょう体にストレージを内蔵しているが、外部SANストレージ(ファイバーチャネル接続)をつなぐことによって収録時間(ファイルの保存容量)を増やせる。