図1●連携の概要
図1●連携の概要
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 HAROiDは2015年11月17日、CGテロップシステム大手3社と協力し、地域密着のローカルテレビ局やケーブルテレビ局なども対象にした視聴者参加型番組やソーシャル連携番組の推進に向けた取り組みを始めると発表した。

 協業するのは朋栄、NIXUS北海道日興通信、ラムダシステムズの3社である。この3社でこれまでに、日本国内における地上波の民間放送テレビ局全127局のうち97%となる123局にCG/テロップシステムを導入している。ニュースや情報番組、スポーツ中継、選挙番組のテロップやスポンサーの提供テロップなどに加えて、最近ではTwitterの投稿をテレビ画面に表示するなどリアルタイムな情報を視聴者に伝える手段としても活用されている。

 HAROiDのテレビ投票システム「テレ票」は、リモコンやスマートフォンを経由した多くの視聴者の投票などを瞬時に集計し、それをリアルタイムにテレビ放送画面にビジュアライズして表示することができる。これまで複数のテレビ局の視聴者参加型番組の企画に利用されてきた。

 ただし、テレビ放送画面にCGとして表示する際、放送局ごとに機器のメーカーや運用方法、データ形式が異なることが、利用局拡大に向けて大きなハードルとなっていた。

 今回、3社のCGテロップシステムがHAROiDプラットフォームとの接続を可能とした。これにより、通常のCGテロップ運用の延長で、視聴者の声をリアルタイムに映像に反映できる環境が多くのテレビ局などに提供できることになる(図1)。朋栄の「VWS/Brainstorm」、NIXUS北海道日興通信の「CG-STORE/QUMO」、ラムダシステムズの「Neo・n/GRID」が対象機器である。

 HAROiDと3社は連携して、2015年11月18日から20日に幕張メッセで開催される国内最大の放送機器展「Inter BEE 2015」のそれぞれのブースで各社CGテロップシステムとHAROiDプラットフォームが接続したデモンストレーションを展示する。

 HAROiDでは、放送を起点としたネット連携や双方向サービス、スマートフォンを組み合わせた新しいビジネスの推進を目指している。その一環で、全国のローカルテレビ局やケーブルテレビでも、低予算、少人数で容易にサービスが実現できる環境の整備を進めている。今回の提携も、地域において放送を起点としたネット連携といったサービス展開するうえでのハードルを下げる効果があると期待している。