テキスト解析のUBICが、法人/家庭用ロボットの市場に参入する。UBICは、同社の100%子会社でデジタルマーケティングを手掛けるRappa、ロボット開発のヴイストンと共に、レコメンド機能を備えたロボット「Kibiro(キビロ)」の開発を発表した(写真1)。2016年前半には、公共施設や商業スペースといった法人用途向けに販売をはじめ、2016年後半には家庭向けロボットの提供を始める。

写真1●「Kibiro」は高さ約28.5cm、幅14cm、奥行き16cm、重さ約800g。カメラやマイク、スピーカー、LEDを備える
写真1●「Kibiro」は高さ約28.5cm、幅14cm、奥行き16cm、重さ約800g。カメラやマイク、スピーカー、LEDを備える
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 Kibiroは、ヴイストンが開発したパーソナルロボットをベースに、UBICが開発した人工知能エンジン「KIBIT(キビット)」をネットワークで利用するもの。音声による会話のほか、専用アプリやメール、SNSを通じて利用者の行動や好みを蓄積し、利用者の好みにあった店舗や商品、サービスをレコメンドできる()。

図●ユーザーの好みを学習し、テキスト情報として保持した上で、Web上の店舗の説明文テキストとマッチングし、好みにあった店舗を探し出す
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図●ユーザーの好みを学習し、テキスト情報として保持した上で、Web上の店舗の説明文テキストとマッチングし、好みにあった店舗を探し出す
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図●ユーザーの好みを学習し、テキスト情報として保持した上で、Web上の店舗の説明文テキストとマッチングし、好みにあった店舗を探し出す
写真2●Kibiroと会話するデモを見せたUBIC 執行役員CTOの武田秀樹氏
写真2●Kibiroと会話するデモを見せたUBIC 執行役員CTOの武田秀樹氏
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 レコメンドには、これまでUBICが特許や法曹の分野で培ってきたテキスト解析エンジンを応用する。UBIC 執行役員CTOの武田秀樹氏は、Kibiroに自分の食事の好みを学ばせるデモを見せた上で「例えば、料理の好みに関するユーザーの発言や、専用スマホアプリでの登録情報と、Web上にある店舗やレストランなどの説明文、口コミ情報のテキストをマッチングさせることで、好みにあったレストラを発見し、勧めてくれる」と語った(写真2)。

 ロボットのコミュニケーションに関わるソフトウエアはUBICが開発を担当する。音声認識や音声合成、質問の解析といった要素技術については「様々な会社とのコラボレーションを考えており、現在は各社と話をしている段階」(武田氏)という。