教育とICTに関する議論を交わす「PCカンファレンス北海道2015」が、2015年11月14、15日に北海道の北見工業大学で開催された(写真1)。テーマは「ICTによる教育の広域連携を目指して」。大学教員や学生などが参加し、教育とICTに関する研究成果の発表や、学校におけるICT利活用の地域連携の事例共有などを通し、活発な議論が繰り広げられた。主催はPCカンファレンス北海道2015実行委員会。北見工業大学、CIEC(コンピュータ利用教育学会)、全国大学生協連合会北海道ブロックが共催した。
同カンファレンスの実行委員長を務める北見工業大学 工学部 情報システム工学科の亀丸俊一教授は、北見市が位置する北海道オホーツク総合振興局の状況を説明。全国学力・学習状況調査においてあまり結果が芳しくなく、児童や生徒数が少ない学校が点在するなどに触れ、「こうした状況を少しでも解消するために広域連携で(学習環境や教育レベルが)均一になり、全国的に見て北海道のレベルが上がれば」との期待を語った(写真2)。
15日はこうした広域連携をテーマに、ICTの導入で成果を上げている遠別町立遠別小学校の野口修一教頭、そして地域連携型のICT活用教育の展開について千歳科学技術大学の小松川浩教授が講演した。
全児童にiPad貸与、人的サポートが重要
野口教頭の在籍する遠別小学校は、北海道留萌振興局管内の遠別町唯一の小学校。留萌管内は年々小学校の閉校が続いており、学校数が減少の一途をたどっている。そうした中、やはり学力の向上は大きなテーマになっており、「本校でも重要な課題」(野口教頭)。ここで重要なのが「数字」だと野口教頭は述べる(写真3)。「教育現場では数字はいらないとも言われるが、数字は説明責任の材料になる。テストで点数が上がればみんな納得してくれる」(野口教頭)。