関西テレビ放送は2015年11月16日、中継車などで民生用ビデオファイルを再生し出力するための業務用ファイルプレーヤーである「カメレオン」をオンテックと共同で開発したと発表した。

 SDカードなどのメディアを本体前面のカードリーダーに挿入すると、自動的に再生可能なファイルのサムネイル(静止画)が表示される。サムネイルを選択すると、映像が出力される。

 カメレオンは、基準信号発生器から基準信号を取り込み、中継車の他の機器と同期をとることができるFS(フレームシンクロナイザー)機能を内蔵している。例えばテレビカメラで撮影した映像からカメレオンで出力する映像の切り替えを乱れなく実施できる。これまでは中継車の他の機器と同期をとるためには別途機材が必要だった。スマートフォンで撮影した映像を無線LAN経由で本体に転送する機能も搭載した。

 取材現場では最近、記者や視聴者が民生用カメラやスマートフォンで撮影した映像がファイル形式で中継車に持ち込まれることが増えており、これらの民生用ビデオファイルを再生・伝送するためにこれまではノートパソコンや民生用メディアプレーヤーを利用していた。ノートパソコンなどでの再生・伝送には操作性や耐久性の面で難点があったため、様々なファイル形式に対応し、これまでよりも簡単な操作で再生できるカメレオンを企画し、製作した。

LEDユニットを交換できる放送業務用LEDライトも開発

 関西テレビは同日に、放送業務用LEDライトである「ユニット交換型LEDマルチロケーションライト」を富士ライト商事やエルム、カラーキネティクス・ジャパンと共同で開発したことも発表した。これまで放送業務用LEDライトはLEDユニットが本体に固定されている製品しかなく、最新のLED照明を使いたい場合はライト本体ごと購入する必要があった。今回、家庭用のダウンライトと同様にLEDユニットを交換できるロケーションライトを開発した。