2015年10月31日、東京都内のNTTドコモ・ベンチャーズラウンジにおいて、シリーズイベント「5Gハッカソン」第3弾となる、「”5G(次世代移動通信規格)× ローソン アイデアソン!!」が開催された。アイデアソンとは、「アイデア」と「マラソン」を組み合わせた造語であり、多種多様な人が集まって1つのテーマについて対話をしながら、アイデアを出し合い議論を深め、ビジネスプランを考えていくというイベントだ。

 今回のイベントの狙いは、次世代移動通信規格である「5G」とコンビニエンスストアの「ローソン」をテーマに「5Gを活用した生活密着型サービスのアイデア」を創出すること。NTTドコモ・ベンチャーズ DOCOMO Innovation Village Directorを務める北周一郎氏は、「今回のポイントは、5Gを活用して2020年代にワクワクできる生着密着型サービスのアイデアを考えること」という。

 次世代通信の5Gは、現在主流であるLTE(Long Term Evolution)方式の4Gよりも格段に高速になり、大容量のデータを短時間で送信でき、今の4Gの通信では実現できないようなことが可能になる。北氏は「5Gの性能を駆使し生活に密着したビジネス、しかも今の技術ではできないような、誰もがワクワクするようなサービスをぜひ考案していただきたい」とアイデアソンへの期待を述べた。2020年代は現在と全く異なる技術、デバイス、そしてその活用法が普及していることは間違いないだろう。そこで、今の技術やデバイスでは実現不可能なような飛び抜けたアイデアを求めているという。

5Gの高速化、低遅延、IoTを駆使した新ビジネス誕生へ

 アイデアソンに先立ち、5Gの技術や生活密着型サービスについてNTTドコモやローソンの社員が解説した。最初に登壇したのは、NTTドコモ 先進技術研究所 5G推進室 室長 主席研究員の中村武宏氏である。

 中村氏は「5Gは現在、グローバルで使える世界標準の技術にしようと各国で研究開発が進められている。日本でも2020年に、世界に先駆け5Gを実現しようと推進している」と現在の状況を伝え、5Gの技術のポイントとして、「高速通信」「大容量化」「低遅延化」「低コスト&省消費電力」「多数の端末との接続」の5つを挙げた。

 「5Gが目指しているのは10Gビット/秒クラスのスピード。ユーザーの体感速度で言えば、現在のLTEの100倍くらいになるだろう」と中村氏はいう。同時に、通信可能な容量も増す。