2015年11月10日、日経BP社によるシリーズイベント「A3 IoT 2015 RE/Design」とNTTドコモ・ベンチャーズが推進するシリーズイベント「5Gアイデアソン・ハッカソン」が共同で、人工知能やデータサイエンスに関するトークセッションを開催した。

 ゲストとして参加したのはリクルートホールディングス Recruit Institute of Technology(以下RIT)室長の石山洸氏と、メタップス 経営企画部 研究推進担当 データサイエンティストの礼王懐成氏。司会進行は日経BPイノベーションICT研究所の菊池隆裕氏が務めた。

 セッションに先立ち、NTTドコモ先進技術研究所 5G推進室 主幹研究員の奥村幸彦氏が登壇。5G実現に向けての取り組みを解説した(写真1)。

写真1●5Gの取り組みを発表したNTTドコモの奥村氏
写真1●5Gの取り組みを発表したNTTドコモの奥村氏
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 2020年代のモバイルデータトラフィックは2010年に比較して1000倍を超える可能性がある。そのためドコモでは、マクロセルに多数のスモールセルを重畳可能な「ファントムセル」や、高周波数のスモールセル基地局に多数のアンテナ素子を搭載し、強力な指向性の電波を用いてデバイスと送受信する「Massive MIMO技術」などを用いて、大規模トラフィック環境においても安定した超高速伝送を図っていく。現在は5Gの実験協力や要素技術検討を実施しており、今後5G無線インタフェースの国際標準化などを進めながら、2020年の商用化を目指している。

 トークセッションは自己紹介から始まった。石山氏(写真2)が所属するRITはリクルートの人工知能研究所であり、11月4日に米国シリコンバレーに研究開発拠点を新設することを発表したばかり。その責任者として迎えたのが、米ワシントン大学のコンピューターサイエンス学科教授、米Google本社のシニア・スタッフ・リサーチ・サイエンティストなどを歴任したコンピュータサイエンティストのアーロン・ハーベイ氏である。

写真2●Recruit Institute of Technology(RIT)室長の石山氏
写真2●Recruit Institute of Technology(RIT)室長の石山氏
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 RITではこれまでも「Machine Learning」の著者であるトム・ミッチェル氏、機械学習手法であるトピックモデルで名高いデビッド・ブライ氏らをアドバイザーとして招聘。今回のハーベイ氏のトップ就任により、さらに人工知能研究に弾みがつく形となる。