画面1●in Campus Deviceの管理画面
画面1●in Campus Deviceの管理画面
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画面2●各端末のイメージのインストール状況を確認
画面2●各端末のイメージのインストール状況を確認
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 キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2015年11月16日、教育機関向けのクライアント管理ソリューション「in Campus Device」を2016年1月に販売開始すると発表した(画面1)。Windows/OS X/Linuxが混在する環境で、パソコンやタブレットなどの端末管理の手間を軽減する。大学のパソコン教室などへの導入を想定する。初期導入費用(税別)は300万円から。

 OSのイメージファイルをサーバーからネットワーク経由で転送し、各端末で起動させる機能を持つ。ダウンロードしたイメージファイルは端末のハードディスクに保存しているため、次回の起動以降は起動時間を短縮できる。

 セキュリティパッチの適用などでOSイメージが更新された場合、差分だけをサーバーから端末に転送する。端末のCPUの使用率が低いときに、自動転送も可能。授業の開始時に一斉にイメージの転送が発生するとネットワークやサーバーに負荷がかかる場合があるが、起動が遅くなる状況を回避できる(画面2)。こうした機能の実現には、イーゲルが開発するソフトウエア管理用フレームワーク「vThrii Seamless Provisioning」を活用する。

 このほか、各端末の利用状況の監視、電源管理などの機能を備える。管理者向けメニューはWebブラウザー上で操作するため、パソコン教室から離れた場所からでも設定変更などができる。

 大学や高校などでは教育内容に合わせて様々なソフトウエアを利用することから、複数のOSが混在しているケースが多い。こうした環境での端末管理/運用の手間を削減することを狙う。既に東京大学情報基盤センターへの導入が決まっており、2016年3月から稼働予定。2017年までに、30校への導入を目指す。