「現在自動車メーカーやテクノロジー企業が開発中の自動運転車の分野では、米Googleの技術が世界をリードしている」。こうした分析結果を米国の市場調査会社IHSが現地時間2015年11月12日に公表した。

 IHSによると、自動運転車を実現するための重要な鍵となるのはソフトウエア。ソフトウエアは各種車載センサーからの情報を分析したり、熟練ドライバーの運転技術や経験を学習したりする役割を果たすが、Googleはこの分野で強みを持つという。

 例えばGoogleは、ロボット工学やドローンなどのプロジェクトに投資をしている。これら事業の各種技術は、自動運転車に必要な人工ニューラルネットワーク、AI(人工知能)、マシンラーニング、コンピュータビジョンの開発を促進させるという。

 先ごろトヨタ自動車が、AI技術の研究開発拠点を米シリコンバレーに設立し、5年間で約10億ドルを投資すると発表したが、Googleのこの分野における技術の急速な進歩が、その理由の一つではないかとIHSは推測している(関連記事:トヨタが米シリコンバレーに人工知能研究所を設置、熾烈な人材獲得競争を反映)。

 またIHSは「CaaS(Car-as-a-Service:サービスとしての自動車)」市場の成長が、都市交通の新たな原動力になると見ている。IHSによると、このCaaSは米Uber Technologiesなどが提供している配車サービスだが、将来は無人自動車という形で提供される。Googleは現在その実現に向けて、技術インフラや地図、ソフトウエアを準備しており、2025年までにはこうしたサービスが始まる見通しという。また自動運転車の生産台数は技術の進歩に伴い増えていく。同時にコストが劇的に下がり、CaaSのサービス料金も低下していくと、IHSは予測している。

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