米Airbnbは2015年11月12日(米国時間)、自宅の一部を宿泊者に貸し出すオーナーの宿泊料金設定を補助するツール「Smart Pricing」を発表した()。同社が機械学習によって生成したアルゴリズムが、都市の宿泊需要動向や物件ごとの「価格弾力性」を予測し、売り上げが最大になる宿泊料金を決定する。

図●宿泊料金を自動決定する「Smart Pricing」
図●宿泊料金を自動決定する「Smart Pricing」
出典:米Airbnb
[画像のクリックで拡大表示]

 Smart Pricingを使用するオーナーが考慮する必要があるのは、宿泊料の上限と下限、受け入れたい宿泊客の数という3点だけ。システムにこれらの情報を入力すると、あとはアルゴリズムが適切な宿泊料を設定する。「オーナーにとって宿泊料の設定は非常に難しい作業だった。様々な情報を集めて、毎日価格を更新し続ける必要があるからだ。そのような苦労を取り除きながら、オーナーの収入を最大化するツールとしてSmart Pricingを提供する」。Smart PricingのプロダクトマネージャーであるCarla Pellicano氏はそう説明する(写真)。

写真●左から米AirbnbのLi Zhang氏、Bar Ifrach氏、Carla Pellicano氏
写真●左から米AirbnbのLi Zhang氏、Bar Ifrach氏、Carla Pellicano氏
[画像のクリックで拡大表示]

 アルゴリズムが予測するのは、都市を数百メートル単位で細分化したブロックごとの宿泊需要の変動と、物件ごとの価格弾力性の変動である。価格弾力性とは、宿泊料金の上下に伴って需要が増減する変動幅の大きさのことを言う。アルゴリズムはAirbnbにおける過去の宿泊実績や、直近の予約動向などを基に、1日単位で宿泊需要や価格弾力性を予測している。使用するデータの種類は数百種類、分析対象のデータ件数は数十億件、予測モデルの「特徴」の数も数十万個に達するという。