NECは2015年11月12日、電力小売事業者向けのクラウドサービスとして、顧客情報管理や電気料金計算などの機能を提供する「需要家情報管理クラウド」と、電力の需給管理機能を提供する「電力需給管理システム」を販売開始した。いずれのサービスも、電力小売りが全面自由化される2016年4月に提供を開始する。

 電力小売事業を営むために必要な機能を、クラウドサービスの形で提供する。事業を迅速にスタートできるほか、システム導入コストを抑えられるとしている。価格(税別)は、需要家情報管理クラウドが月額30万円から。電力需給管理システムは個別見積り。販売目標は、2016年度から3年間で20億円。

 需要家情報管理クラウドは、顧客情報管理や、電気料金計算を含む請求・入金管理、電力の利用者(需要家)による料金確認や料金プラン変更が可能なマイページといった機能を一括で提供する。電力需給管理システムや既存の請求システムなどとの連携機能をオプションで構築できる。

 電力需給管理システムは、30分間での電力需給総量の一致を義務付ける「計画値同時同量制度」に対応するための機能として、電力の需給予定と実績を一画面で把握できる監視機能や、短期取引市場(1日前まで取引できるスポット市場や1時間前まで取引できる1時間前市場)に入札する機能などを提供する。また、需要家ごと、需要家グループごとの予測値が分かる需要予測支援機能も提供する。