米Appleがモバイル端末を使った個人間決済サービスを立ち上げるべく、複数の米銀行と協議をしていると米メディア(PCWorldThe VergeThe Next Webなど)が現地時間2015年11月11日、米Wall Street Journalの記事を引用して伝えた。

 現在検討されているサービスは、利用者がAppleのモバイル端末を使って当座預金口座から指定した人に送金するというもので、Appleのモバイル決済サービス「Apple Pay」と連係するもよう。Wall Street Journalによると事情に詳しい関係者は、サービスは2016年に開始される可能性があると話している。これが実現すれば米PayPalの「Venmo」と競合するサービスになるという。

 ただしAppleと銀行側との協議は現在進行中で、同社がすでに銀行と合意を結んだかどうかは分からない。また銀行の既存システムと新サービスがどのように関連するのかといった技術的なことも現段階では流動的だとWall Street Journalは伝えている。

 現在行われている協議によると、Appleはこのサービスで銀行から手数料を受け取らないもよう。同社は新サービスをiPhoneの利用者を増やす手段と位置付けている可能性があるという。金融サービスをはじめとする生活のあらゆる場面でiPhoneを使ってもらう。これによりAppleは顧客の獲得とつなぎ留めを図るとWall Street Journalは伝えている。