写真●Hitachi Virtual Storage Platform F400/F600/F800の外観(提供:日立製作所)
写真●Hitachi Virtual Storage Platform F400/F600/F800の外観(提供:日立製作所)
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 日立製作所は2015年11月11日、SANストレージ「Hitachi Virtual Storage Platform」(VSP)の新たなラインアップとして、オールフラッシュ構成の「VSP Fシリーズ」(3モデル)を販売開始した。11月17日に出荷する。既存の「VSP Gシリーズ」をベースに、オールフラッシュストレージに必要のない機能を省いてフラッシュ専用とすることで、低価格化を図った。

 VSP Fシリーズは、オールフラッシュ構成専用のSANストレージである。ハードディスクも搭載できるがオールフラッシュ構成も可能な既存のSANストレージ「VSP Gシリーズ」から見ると、機能を減らして価格を抑えた機能下位版に当たる(関連記事:日立がミッドレンジストレージ刷新、ハイエンドとOS共通化)。共通のストレージソフト(SVOS)を使いつつ、オールフラッシュ構成にとって必要のない機能を省略した。最初からオールフラッシュ構成で使うのであれば、安価なぶんVSP GシリーズよりもVSP Fシリーズの方が優位である。

 VSP Gシリーズから省略した機能は、主に三つある。(1)一つは、ILM(階層型ストレージ管理)機能である。オールフラッシュ構成なので階層化する必要がない。残りの二つはストレージ仮想化機能で、(2)一つは、VSPの配下にぶら下げた複数の異機種ストレージを束ねてプール化し、論理的に一台のストレージとして利用する機能、(3)もう一つは、2台のVSPで広域クラスターを組んで、これらを論理的に一台のストレージとして扱う機能である。

 3モデルで構成する。「VSP F400」「同 F600」「同 F800」の3モデルで、それぞれ「VSP G400」「同 G600」「同 G800」をベースにしている。価格(税別)は、最小モデルのVSP F400が1740万円から、F600が2490万円から、F800が4060万円から。フラッシュストレージの容量は、最小構成時が6.4Tバイト(1.6Tバイトのモジュール×4台)で、最大構成時が307.2Tバイト(6.4Tバイトのモジュール×48台)。

フラッシュモジュールも新版へ、データ圧縮機能を内蔵

 今回、オールフラッシュ構成のVSP Fシリーズに合わせて、フラッシュモジュールも新版の「Hitachi Accelerated Flash DC2」(HAF DC2)を用意した(関連記事:日立、大型ストレージ「VSP」にGB単価1万円の低価格フラッシュを追加)。VSP Fシリーズは、このHAF DC2を搭載する(VSP Gシリーズに搭載することもできる)。新版であるHAF DC2の最大の特徴は、フラッシュモジュール側でデータ圧縮機能を備えること。これにより、コントローラーにデータ圧縮の負荷をかけずに済む。

 HAF DC2ではまた、従来版のHAFと比べてモジュール当たりの最大容量を3.2Tバイトから6.4Tバイトに倍増させている(最小容量は1.6Tバイトで共通)。HAF DC2では、1.6Tバイトまたは6.4Tバイトのモジュールを選べる。モジュール専用シャーシに、最小4台から最大48台のモジュールを格納して使う。データ圧縮機能やモジュール容量の拡大などにより、VSP F800を従来モデル(Hitachi Unified Storage VM all flash)を同等性能と同等容量で比べると、価格性能比が約2.7倍に向上したという。