写真1●Now on Tapの概要
写真1●Now on Tapの概要
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写真2●Webページから地名を自動抽出し、関連アプリを表示(提供:Google)
写真2●Webページから地名を自動抽出し、関連アプリを表示(提供:Google)
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写真3●グーグル 製品開発本部長 徳生裕人氏
写真3●グーグル 製品開発本部長 徳生裕人氏
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 グーグルは2015年11月10日、Android OS向けに、新検索機能「Now on Tap」の日本語版を提供開始した(写真1)。スマートフォンで利用中のアプリ画面から、そのユーザーが詳しく調べたいだろうと思われるキーワードを自動抽出。その語で検索を実行したり、その語を調べるのに適したアプリを提示したりする。検索のためにキーワードを入力したり、コピー・アンド・ペーストしたりする必要がない。Android 6.0で利用できる。

 例えばブラウザーでWebページを閲覧中、気になる地名が出てきたとする。従来はその部分をコピー・アンド・ペーストし、検索アプリなどを起動して検索し直す必要があった。これに対してNow on Tapでは、当該のWebページを表示中にAndroid OSのホームボタンを長押しすればよい。Webページ中の文字列を解析し、そのユーザーが興味を持ちそうなキーワードを候補として自動的に提示する(写真2)。

 キーワードと共に、関連するアプリの一覧も表示する。「検索」を選べばそのキーワードでGoogle検索が実行されるし、「マップ」を選べば地図アプリが起動して当該の場所が表示される。

 候補として表示されるアプリは、キーワードによって変わる。例えば料理のメニュー名なら「クックパッド」、レストランの店名なら「食べログ」、アーティスト名なら「YouTube」のように、そのスマートフォンにインストールされているアプリの中から適切なものを自動選択する。

 ユーザーが関心を持ちそうな語を自動抽出するために、これまで同社が検索で培ってきた各種技術を駆使しているという。様々なキーワード同士の関係性をグラフ化した「ナレッジグラフ」や、自然言語処理技術などだ。関連性の高いアプリの提示には、開発者がAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を用いて自らのアプリの情報を伝えるための仕組み「App Indexing」を活用する。

 Android 6.0上なら、基本的にどのアプリからでもNow on Tapを利用可能。例えばメッセージングアプリ「LINE」で友人と会話中に気になった語を調べる、といった使い方もできる。なおキーワードに関連するアプリとして表示されるのは、App Indexingに対応したアプリのみという。

 Now on Tapは2015年10月に英語版の提供を開始し、日本語版は2番目のリリース。モバイルが普及していてモバイルでの検索比率が高いこと、文字入力に手間がかかることなどから日本語への対応が決まったという。グーグル 製品開発本部長 徳生裕人氏は「日本でこそ、真価が理解される機能だ」と話した(写真3)。