業務ソフト開発のテンダは2015年11月11日、電子マニュアル作成などから成るクラウドサービス群を発売した。買い切り型のソフトウエアとして発売済みの製品をクラウドサービスにしたもの。初期費用が不要で必要な期間だけ使えるクラウドサービスにすることで、主に中小企業への売り込みを図る。
新サービス群のブランド名は「TEんTO(テント)」。同ブランドの下、複数のクラウドサービスを販売する。
主力サービスは電子マニュアル作成の「TEんDo(テンドウ)」。同社の既存ソフト製品である「Dojo(ドージョー)」のクラウド版だ。PCやスマートフォン、タブレットなどから閲覧できる電子マニュアルを、半自動的に作れる(画面)。
利用者はまず、電子マニュアルに記録する対象のソフトを起動し、記録したい内容に沿って同ソフトを操作する。TEんDoがバックグラウンドでマウスの動きやクリックしたボタン、キーボードで打ち込んだ文字などを自動的に記録。ボタンをクリックするなどのタイミングで、画面写真も撮影し画像として保存する。操作を終えると、TEんDoは画面写真を操作順に配列。ボタン操作や文字入力などの簡単な説明の文章を自動的に生成し、画面上に吹き出しとして配置して操作マニュアルの半完成品を自動的に作る。
クラウド版の機能はソフト版と同じ。異なるのは価格体系だ。クラウド版は電子マニュアルを作成する同時アクセス利用者数に応じた月額料金制で、1人当たり月額6万8000円。既存のソフト版は初期導入費用が80万~100万円と、中小企業には導入のハードルが高かった。
テンダは新たなクラウドサービスを、複数の形態で販売する。同社が直接販売するのに加え、他のIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)事業者やシステムインテグレータ経由でも販売。後者の場合は販売を担う事業者が窓口となる。このほか、顧客企業が自社データセンターで運営するプライベートクラウドとしても販売する。こちらは主に大企業の利用を想定する。
同社は既存ソフトのクラウド版を順次追加する。電子マニュアルと同時に、eラーニングの「GAKTEん(ガクテン)」、LINEに似た使い勝手の社内メッセンジャー「TEんWA(テンワ)」も販売する。料金はそれぞれ1利用者当たり月額480円、同248円。新サービス全体で、3年後に年間30億円の売上げを目指す。