東京消防庁は2015年11月10日、システム障害のため午前11時30分から6分間にわたって東京23区からの119番通報が不通になっていたと発表した。内部の着信履歴を分析したところ、この間に7件の通報があった。折り返し確認をするなどした結果、重症者からの通報はなく、救急・消防活動に大きな影響はなかったとしている。

 同庁の説明によれば、システム障害発生直前に、119番通報を受け付ける「新指令管制システム」の中核装置に当たる「受付指令制御装置」で、ソフトウエアの更新作業を実施していた。更新準備のための操作をしたところ、通報が受けられない状態に陥った。

 現行システムは日立製作所が納入し、2月25日から稼働している。ソフトウエア更新は月に1回程度実施しているが、これまでに不具合が発生したことはなかったという。

 東京消防庁では、3月4日と4月14日にも119番通報が一時受け付けられなくなるシステム障害が発生している(関連記事:東京の119番受信障害、原因は制御装置のバッファーオーバーフロー)。相次ぐ障害を踏まえた再発防止策を実施していたが、「ソフトウエア更新作業時の障害対策ついて、検討が不十分だった可能性がある」(同庁広報課)という。