インドの電子商取引大手、Flipkart Internetが米Googleの協力を得て、モバイル向けWebサイトを構築したと複数の海外メディア(米Wall Street Journal米New York Times米Re/codeなど)が現地時間2015年11月9日に報じた。

 Flipkartの新たなWebサイトはGoogleのChromeチームが開発したモバイルサイト用ツールを用いて構築した。これにより、インドなどの電波が不安定な地域でもスムーズに利用できるオフライン機能や、プッシュ通知機能、ホームスクリーンへのアクセスなどが可能になり、モバイルアプリのような操作性を持つサイトが実現したという。

 Wall Street JournalやRe/codeによると、Flipkartは今年4月にモバイルサイトによるサービスを中止し、すべてのサービスをモバイルアプリに切り替えるという方針を打ち出していたが、その後方針転換した。Flipkartは当初、利用が増えているモバイルアプリの方が、Webサイトよりもユーザーのエンゲージメントが高いと考えていた。しかしインドでは、多くのユーザーが頻繁にアップデートされない低価格のAndroidスマートフォンを所有しており、アプリを迅速に更新してもらうことは困難。またストレージ容量やデータプランに制限があるため、アプリのダウンロードを嫌うユーザーも少なくない。そこでFlipkartはモバイル用Webサイトを構築することにした。

 今回のFlipkartのWebサイト構築は、Googleにとって勝利だとRe/codeは伝えている。新興国では新規ユーザーの大半がスマートフォンなどのモバイル端末経由でインターネットを利用している。その多くがアプリを利用すれば、Web検索広告の利用が減り、Googleの収益も減少することになる。Flipkartは、ChromeのモバイルWeb構築ツールを本格的に利用した初めての企業だが、Googleは今後Flipkartに続く企業が現れることを期待しいていると、Re/codeは伝えている。