米Nutanixと中国Lenovoは2015年11月4日(米国時間)、Nutanixの分散ストレージソフトウエアをLenovoにOEM(相手先ブランド)供給すると発表した。LenovoはNutanixのソフトを搭載した仮想化環境向けのハードウエアを全世界で販売する。

 Nutanixはサーバーとストレージを統合した「コンバージド(統合)インフラストラクチャー」を、仮想化環境向けに販売するベンダーだ。同社の分散ストレージソフトは、外部ストレージ装置を使用せずに、コモディティのPCサーバーの内蔵ストレージだけを使って高速かつ大容量のストレージを実現できるのが特徴だ。

 Nutanixは分散ストレージソフトとコモディティのPCサーバーとを組み合わせたアプライアンス製品を、2011年から仮想化環境向けに販売している。また2014年からは米Dellに対して分散ストレージソフトをOEM供給している。LenovoはNutanixにとって、2社目のOEM供給先となる。

 Nutanixの分散ストレージソフトを使って仮想マシンを運用する場合、仮想ディスクのデータは、その仮想マシンが稼働している物理サーバーの内蔵ディスクに保存される。外部ストレージ装置を利用するのに比べてデータの書き込み性能などを高められるとしている。データは他のサーバーに複製保存しているため、サーバーに障害が発生した場合でも、すぐに他のサーバー上で仮想マシンを復元できる。

 Nutanixマーケティング担当シニアバイスプレジデントのHoward Ting氏は「当面の競合は米VMwareだ」と語る。米VMwareも2014年に、ハイパーバイザーを稼働するPCサーバーの内蔵ストレージを使って大容量のストレージを実現する「Virtual SAN」という分散ストレージソフトを販売しているためだ。NutanixのTing氏は「Nutanixの分散ストレージソフトは、重複排除(Dedupe)の機能や、データを複製保存する際の容量を節約できる『イレージャーコーディング(Erasure coding)の機能などを備えており、他社のソフトを技術的にリードしている」と語っている。