図●米ペイパルは2015年11月5日、ヤマダ電機のECサイト「ヤマダウェブコム」にデジタルウォレット「PayPal」の提供を開始する
図●米ペイパルは2015年11月5日、ヤマダ電機のECサイト「ヤマダウェブコム」にデジタルウォレット「PayPal」の提供を開始する
出所:米ペイパル
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 米ペイパルは2015年11月5日、ヤマダ電機が運営するEC(電子商取引)サイト「ヤマダウェブコム」にデジタルウォレット「PayPal」を導入した()。ヤマダ電機のウェブサイトで会員登録をしていない訪問者に対し、PayPalのアカウントで購入できるようにする。ヤマダ電機は従来から非会員向けに「ゲスト購入」の購入フローを提供していたが、PayPalのアカウントを持っているユーザーは名前や住所、クレジットカード番号の入力の手間が省けるようになる。PayPalのアカウントに登録しているユーザー情報を活用した購入フローの提供は国内の家電量販店で初となる。

 家電量販店のECサイトをはじめ、国内の大手EC事業者は会員登録を求めるのが一般的。だが、登録の手間がかかるため購入途中で離脱するユーザーが多い。ヤマダ電機はPayPalを導入することで会員登録をしなくても容易に購入できる選択肢を増やし、機会損失を防ぎたい考え。

 ペイパルはPayPalを導入しているECサイトで一度でも認証すれば、ほかのPayPal導入のECサイトでもログイン不要で購入できるようになる「ワンタッチ決済」を米国、英国、カナダ、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、オランダ、ノルウェイ、ポーランド、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコの16カ国で既に提供している。日本では未提供だが、既にグローバルで100万の店舗やブランドでワンタッチ決済に対応している。

 今後、ペイパルはPayPalのデジタルウォレットを導入しているサイト間でワンタッチ決済を実現していく見通しで、今回のヤマダ電機へのPayPal提供はその布石といえる。