米Amazon.comは米国時間2015年11月2日、書籍を販売する実店舗を米国で開設すると発表した。店内では数千冊の書籍を販売するほか、「Kindle」「Echo」「Fire TV」「Fire Tablet」といった同社製品もそろえ、専門スタッフが顧客に使い方などを説明するとしている。

 店舗の名称は「Amazon Books」。場所はAmazon.comの本社がある米ワシントン州シアトル。ワシントン大学近くのショッピングモール「University Village」内という。

 米Wall Street Journalによると、Amazon.comはここ最近、用心深く実店舗の小売りビジネスに参入している。例えば、同社はショッピングモール内のキオスク店舗で同社製機器や専用ケースなどを販売している。大学キャンパス内には商品の受け取りと返品ができる施設を設けている。また、傘下のZapposやQuidsiといった小売りサイトはアパレル商品や化粧品などの店舗をケンタッキー州やニューヨーク州に開設している。

 しかし、同社が対面販売方式の書店を展開するのはこれが初めて。Wall Street Journalは事情に詳しい関係者の話として、「今回の店舗は他の新規事業と同じく実験という位置付けだが、成功すればAmazonは新たな店舗を他の地域で開設する可能性がある」と伝えている。

 Amazonの説明によると、Amazon Booksの開店日時は現地時間11月3日午前9時30分。書籍は「面陳」(棚に表紙を正面にして立てる)方式で陳列し、それぞれにレビューカードを付ける。これらはAmazon.comに寄せられた顧客の評価や、予約/販売実績、傘下の読書愛好者向けSNS「Goodreads」の人気度などを反映するという。また書籍の価格はAmazon.comの販売価格と同じ。これにより顧客はオンラインと実店舗の価格を比較する必要がないと同社は説明している。

[Amazon.comの発表資料]