図●TISが考える「CPS」のコンセプトと、CPSを支える五つの要素技術(出典:TIS)
図●TISが考える「CPS」のコンセプトと、CPSを支える五つの要素技術(出典:TIS)
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 TISは2015年11月2日、AI(人工知能)関連事業を推進するための専任組織「AI技術推進室」を、11月1日付で設立したと発表した。機械学習と自然言語処理について、技術の開発と検証、技術を用いた製品サービスの開発、先進ユーザーにおけるPoC(概念実証)の実施、などを行う。TISでは、AIを含む技術戦略に対して中期的に約20億円の研究開発投資を行うとしている。

 TISは、AI技術推進室が取り組む機械学習と自然言語処理の具体的な適用例をいくつか挙げる。例の一つは、コールセンターの会話ログや問い合わせ履歴のような自然言語によるドキュメントを、AI技術を用いて活用すること。AI技術でドキュメントを自動的に分類/分析する。また、問い合わせ対応業務の支援/代替や、マスターデータのメンテナンス支援なども視野に入れる。

 AI技術推進室は、TISが中長期技術戦略として掲げる「CPS」(Cyber-Physical Systems、サイバーフィジカル・システム)構想に基づく。CPSとは、各種の産業分野においてセンサーなどから得られるビッグデータを蓄積/解析し、ここからさまざまな知見を引き出す仕組みを目指す戦略である()。

 TISでは、CPSを実現する要素技術として、五つの分野を定めている。(1)「IoT」(モノのインターネット)、(2)「SDI&オーケストレーション」(ソフトウエアデファインドインフラストラクチャーと動的な配備/構成変更)、(3)「機械学習」、(4)「自然言語処理」、(5)「ネットワークロボティクス」---である。中長期技術戦略として、各分野で人材の育成などの施策を推進する。