米ヒューレット・パッカードは2015年11月1日に分社化し、エンタープライズ事業を手掛ける米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(Hewlett Packard Enterprise、HPE)と、PC・プリンターを担う米HP(HP Inc.)が新たに生まれた(写真1)。従来の青色のロゴはHPが受け継ぎ、HPEは新たに緑を基調としたロゴを採用した。
これに伴い、HPEの日本法人としてエンタープライズ事業を管轄する日本ヒューレット・パッカード 代表取締役社長執行役員の吉田仁志氏が2015年11月2日、HPEおよび日本法人の事業について本社で説明した(写真2)。吉田氏は「個人の信念として『日本を元気にしたい』という思いがあり、(日本企業のグローバル化支援など)そのためのお手伝いをしたい」と抱負を語った。
HPEの直近12カ月の売上高は527億ドル(約6兆3000億円)、営業利益は49億ドル(約5900億円)である(写真3)。事業規模としては、元の米ヒューレット・パッカードのほぼ半分である。
このうち、サーバー、ストレージといったハードウエアを中心とした「エンタープライズグループ」が売り上げの50%を占める(写真4)。このほか、アウトソーシングなどの「エンタープライズサービス」が37%、ソフトウエア製品やクラウドを扱う「HP ソフトウェア」が7%と続く。金融サービスも売上高6%と貢献している。
HPEが注力する領域は4つある(写真5)。ハイブリッドクラウド、セキュリティ、モバイルワークプレイス、ビッグデータ分析だ。
このうちハイブリッドクラウドは、OpenStackを使ったプライベートクラウド構築をベースに、パブリッククラウドを組み合わせて提供する。
HPEは2016年1月に、自社のパブリッククラウドサービスから撤退する(米HPがパブリッククラウドから撤退、サービスは16年1月末に終了)。これについて吉田社長は「Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureなどに加え、国内ITベンダー提供のパブリッククラウドを、パートナーシップを組みながら提供する」と説明した。