韓国Samsung Electronicsは現地時間2015年10月29日、同年第3四半期(2015年7~9月)の決算を発表した。韓国採択国際会計基準(K-IFRS)に基づいた連結決算は、売上高が前年同期比9%増の51兆6800億ウオン、純利益が同29%増の5兆4600億ウオン、営業利益が同82%増の7兆3900億だった。

 7四半期連続で減少していた営業利益がようやく増加に転じた(米CNETの報道)。半導体事業が営業利益の約半分を創出し、成長をけん引した。

 部門別の業績を見ると、モバイル端末とネットワーク製品を扱うIT & Mobile Communications(IM)部門は、売上高が26兆6100億ウオンで前年同期比8%増加した。そのうちモバイル事業は25兆9400億ウオンで同10%成長。スマートフォンは「Galaxy S6 edge plus」「同Note 5」などの新機種投入により出荷が拡大したが、中~下位モデルを中心に増えたことから平均販売価格(ASP)は低下した。

 半導体事業とディスプレイパネル事業を含むDevice Solutions(DS)部門は、売上高が20兆3100億ウオンで前年同期比25%増加した。半導体事業の売上高は同30%増の12兆8200億ウオン、営業利益は同62%増の3兆6600億ウオンだった。

 テレビやデジタル器機を手がけるCE部門の売上高は、前年同期からほぼ横ばいの11兆5900億ウオンだった。

 米New York Timesによると、半導体事業が過去最高益を更新した一方、スマートフォン事業の利益はこの3四半期で最も低かった。Samsungは2015年第4四半期(2015年10~12月)の見通しについて、ドル高によるプラスの影響は見込めないことから、減益を予測している。

 また同社は、11兆3000億ウオン相当の自社株買戻を今後1年かけて実施し、取得した株式を焼却する計画を明らかにした(米Wall Street Journal)。

[発表資料(PDF文書)]