パナソニック エコソリューションズ社は2015年10月27日、広色域4K・8K放送に対応する超高精細テレビ(UHDTV)向けの映像撮影で、使用される照明やテレビカメラ撮影用ライトなどの照明光源について、色の見え方を示す演色性基準(ガイドライン)を構築したと発表した。今後、スポーツ競技施設やスタジオ、劇場などの照明基準として推奨していく。

 今回構築した推奨基準は、NHK放送技術研究所との研究協力で得られた知見から、色の見え方の指標である「平均演色評価数 Ra」を90以上、かつ「赤色の特殊演色評価数 R9」を80以上とした。推奨基準を用いることで、現在のハイビジョン放送(HDTV)より鮮やかな色まで再現できる超高精細テレビ放送に適した映像の撮影が可能となる。

 NHK放送技術研究所と共同実施した実験では、色鮮やかな自然物体などを、多種類のLEDを使用して光のスペクトルを変化させながら照らし、UHDTVカメラで撮影して各種評価を実施した。その結果から、撮影対象を照らす照明光源の演色性が、超高精細テレビ映像の色の再現性において優れていると確認した数値をもとに、推奨基準を設定した。

 共同実験の成果や推奨基準については2015年10月に開催される米国映画テレビ技術者協会(SMPTE)など国際会議でも発表を予定する。

 パナソニック エコソリューションズ社は、今回の研究結果を活用して、超高精細テレビ放送に対応したLED照明を開発していく。

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